※2023年7月31日17時24分更新
円相場見通し:対米ドル・豪ドル・ユーロ
- 日銀によるイールドカーブコントロール政策の修正を市場が消化する中、米ドル/円は急反発している
- ユーロ/円と豪ドル/円は手強いレジスタンスエリアに接近中
- 米ドル/円、豪ドル/円、ユーロ/円の見通しと注目すべき水準とは?



日銀は先週28日の金融政策決定会合で、10年物国債利回りの誘導目標ゼロをし、変動幅は上下0.5%を引き続き「目途」とした。しかし、日銀は連続指し値オペの利回りを1%へ引き上げて機動的に対応するとし、国債10年物利回りが一時的に0.5%を超えることを容認する意向を事実上示した。
日銀は2%のインフレ目標を安定的かつ持続的に達成するまでは、より広範な政策設定を変更しないとしている。米ドル/円の急反発は、YCCの修正を金融引き締めのシグナルとしてではなく、世界的な利回り上昇という環境の中でイールドカーブの枠組みを持続させるためと捉えられていることを示唆している。
米ドル/円 日足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
米ドル/円:直近レンジの上限を試す展開
テクニカルチャートで米ドル/円は、日足チャート上の一目均衡表の雲下端、7月中旬の安値137.25が重なる重要なサポートを上回る水準を維持している。このサポートが維持されているうちは、7月上旬の下落は、せいぜい(年初からの)当面の上昇トレンド局面における値固めの動きに過ぎないと考えられる。
米ドル/円 240分足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
4時間足チャートを見ると、米ドル/円は今のところ、200期間移動平均線と7月21日の高値142.00を含む、141.50-142.00の重要なレジスタンスを上回る水準で推移している。米ドル/円が7カ月におよぶ上昇トレンドを維持するためには、このレジスタンスを決定的に上回る必要がある。
豪ドル/円 240分足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
豪ドル/円:主要サポートからの反発
6月下旬以降続く下値と上値の切り下げの展開は、豪ドル/円の短期バイアスが下向きなことを示している。当面の下落トレンドを反転させるためには、豪ドル/円は4時間足チャート上で200期間移動平均線と先週の高値96.00を含む95.50-96.00という堅い天井を上回る必要がある。それまでは、先週28日からの反発は自律反発の域にとどまると解釈できそうだ。
ユーロ/円 240分足チャート
チャート作成:マニッシュ・ジャラディ、資料:TradingView
ユーロ/円:レジスタンスに注目
ユーロ/円は現在、240分足チャート上の一目均衡表の雲上限と先週の高値156.25を含む156.00-157.00の厳しい壁にぶつかっている。このレジスタンスを上回れば、目先のトレンドである6月下旬からのレンジ相場の継続が再確認されることになる。
--- DailyFX.com ストラテジスト マニッシュ・ジャラディ著
ジャラディ氏に連絡するには、Twitterで @JaradiManish までお願いいたします。