※2023年3月24日13時25分更新。
日本株、日経平均、ドル円、円高-トーキングポイント
- 円高が進行する中、週間で日本株は堅調に推移
- 円高警戒感が継続
- 日本株は短期的に中立も下落が視野に入る



日本株は堅調なパフォーマンス
日経平均は、週間(先週木曜日から今週木曜日まで)で堅調なパフォーマンスとなった。円高が進行したものの1.5%の上昇(TOPIXは1.0%の上昇)を記録した。欧米の金融システムへの不安が和らいだこと等が安心材料となった。FOMCの流れを受け、米国債利回りが低下し、ドル安円高が進行している。また、米国金利の低下を受け、日本株でも金利低下時に上昇する傾向のあるグロース株が日本株全体の上昇を牽引した。24日の日経平均は、円高が重荷となり下落している。
日本株、日本国債、ドル円の1週間の動き

資料:Trading Viewより作成

チャート作成:木全哲也が作成。資料:Bloombergより作成
ドル円のリスクリバーサルを確認すると、円コールオーバー(マイナス)となっており、円高への警戒感が強いことが伺える。円高警戒感が続く中、日本株の見通しは?また日本株に大きな影響を持つドル円の見通しは?

チャート作成:木全哲也が作成。資料:Bloombergより作成
米ドル円:円高継続
ドル円のリスクリバーサルは2021年以降で最も円コールオーバーの水準である。既に円高警戒感は高くなっており、円高圧力が緩和するシナリオも考えられる。しかしながら、欧米の金融不安は和らいでいるものの、警戒は必要であり、安全資産通貨である円に対する需要は続くと予想する。テクニカル面では、ドル円は水平サポートラインである131.115を下方ブレイクし、円高トレンドに歯止めが掛かっていない。RSIは36.1であり、円高に対する過熱感は見られず、円高トレンド継続を見込む。
米ドル円日足チャート

資料:Trading Viewより作成
日本株の見通し(日経平均先物):短期的には中立も下落が視野に
1週間足チャートを確認すると、中立パターンである対称三角形を形成している。また、RSI(相対力指数)は50前後で推移しており、明確なトレンドは確認できない。
日経平均先物1週間足チャート

資料:Trading Viewより作成
しかしながら、4時間足では、下落トレンドの継続を示唆する上昇ウェッジが形成されている。ドル円の見通しからは円高継続が見込まれるものの、上昇ウェッジのパターンが示唆する上昇軌道に沿った動きをする可能性もあるため、短期的な日経平均の見通しは中立とする。ただし、現在26,710にあるウェッジ下限ラインのブレイクアウトが確認されれば、弱気に転換する可能性が高まる。ブレイクアウト後は、3月16日に記録した安値26,190が視野に入る。
日経平均先物4時間足チャート

資料:Trading Viewより作成
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著