日本株、日経平均株価、インフレ、植田日銀総裁、日本銀行、金融緩和―トーキングポイント



東京CPI、植田日銀総裁を安心させる結果
全国インフレ率(CPI)に先行性のある東京都区部の消費者物価指数が公表され、事前の市場予想では前月からのインフレ加速が見込まれていた。しかしながら、市場予想に反して消費者物価指数(前年比)は鈍化を示した。1か月後の7月末に日銀金融政策決定会合を控え、今後のインフレ鈍化に伴い当面の金融緩和維持を示唆している植田日銀を安心させる結果となった。

個人投資家が新たな日本株の牽引役
日柄調整が進んでいる日本株であるが、先週一週間の日本株の週間売買状況が発表された。年初来の上昇を牽引してきた海外投資家が、日柄調整が進む中利益確定を図り、日本株の現物の売却に転じている。一方、新たな日本株の牽引役になり得る個人投資家は、現物株を中心に日本株を買い越しに転じており、日本株に対して弱気から強気に見通しを転換したことを示唆している。海外投資家も年初来の上昇に伴う利益確定後は、再度日本株に買い越しに転じる可能性がある。新たな日本株の牽引役である個人投資家、そして海外投資家が日本株に強気になることで、日本株の日柄調整が終了、再度上昇トレンドに転じる可能性がある。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。先物は日経225とTOPIXの先物・mini合計。
日経平均株価のテクニカル分析―調整終了?
日経平均株価は下落していたものの、20日指数移動平均線(現在32,631円)でサポート(終値ベース)されており、相場の地合いが強いことを投資家に印象付けている。また、日経平均株価(先物)は、終値ベースで9日指数移動平均線を上抜け、上昇圧力が強まっており、日柄調整の終了を示唆している。
7月末の日銀金融政策決定会合が近付くにつれて、金融政策を巡る不確実性が高まる可能性がある。しかしながら、本日の東京都区部のCPIの結果は、日本銀行による金融緩和維持との思惑を高め、当面の日本株のサポート要因になろう。
日本株の一時の過熱感は解消している中、日経平均株価は、2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円をトライしよう。終値ベースで上抜けると、上昇圧力が一段と高まることを見込む。
一方、日経平均株価が20日指数移動平均線を終値ベースで下方ブレイクした場合、4月からの日経平均株価の急上昇相場がひとまず終了した可能性が高まる。50日指数移動平均線(現在31,338円)への下落が視野に入る。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著