日本株、日経平均株価、東京都区部CPI、日銀、金融政策、インフレ―トーキングポイント



日経平均株価は昨日時点で今年に入って初めて4日続落した。本日は米国株式市場が上昇したことや円安進行を受け、上昇している。日経平均株価の年初来の上昇の一因として、日本銀行の金融緩和策が挙げられる。30日に全国インフレ率と相関の高い東京都区部のインフレ率が公表される。ECBフォーラムでの植田日銀総裁の発言同様、7月末の日銀金融政策決定会合を占う上で重要である。
日本株は急上昇からの反動で日柄調整が続いているが、変化の兆し、調整終了の可能性を示唆している。詳しく見てみたい。
東京都区部CPIに注目
東京都区部インフレ率は、前月からの加速が予想されている。1か月後の7月28日に日本銀行は金融政策決定会合を開催する。植田日銀総裁は、ECBフォーラムにて当面の金融緩和維持を示唆することが見込まれる。一方、日本10年国債利回りの変動を制限するイールドカーブコントロール政策(YCC政策)は事前に情報共有を図ることが難しい旨の言及をしている。そのため、東京都区部のインフレが上ぶれた場合、7月インフレ見通しの上方修正、そして7月末会合でのYCC政策修正の可能性が高まる。もっとも、日銀金融政策決定会合は1か月後である。会合が近付くにつれて金融政策を巡る思惑が日本株の変動要因になり得るものの、当面は日銀の金融緩和維持スタンスを見込んだ相場展開が続こう。

日経平均株価のテクニカル分析―相場反転のシグナル?
日経平均株価は日柄調整を続けているが、20日指数移動平均線(現在32,493円)でサポート(終値ベース)されており、相場の地合いが強いことを示唆している。また、相場の転換を示唆する同時線が発生しており、日経平均株価の調整終了が近付いている可能性がある。
なお、最近の調整を受け、日本株の過熱感は解消している。日経平均株価が終値ベースで9日指数移動平均線(現在32,846円)を上方ブレイクすると、日柄調整が終了、上昇トレンドの再開の可能性が高まる。その場合、日経平均株価は、2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円を再度トライしよう。
一方、日経平均株価が20日指数移動平均線を終値ベースで下方ブレイクした場合、4月からの日経平均株価の急上昇相場がひとまず終了した可能性が高まる。50日指数移動平均線(現在31,178円)をトライするシグナルになろう。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著