日経平均株価、個人投資家、日本株、東証株価指数(TOPIX)、テクニカル―トーキングポイント
- 個人投資家の投資行動に変化の兆し
- このような中、テクニカル面を踏まえた日経平均株価の見通しは?



日経平均株価は33年ぶりに32,000円台を回復した。バリュエーション等の観点は日本株の割安感は一部解消しつつあるものの、日本株の一段高を示唆する新たな変化が見られる。日本株に対して弱気の見通しであった個人投資家の見通しに変化の兆しがある。個人投資家が強気に見通しを転換することで、日本株は一段と上昇する可能性がある。詳しく見てみたい。
個人投資家は日本株に強気に転じつつある?
日本株が年初来上昇、日経平均株価がバブル後最高値を更新する中、個人投資家は日本株に対して弱気な見通しであった。弱気な見通しを反映し、日経平均株価が下落した時に利益を享受できる日経225ダブルインバースETFの受益権口数が急上昇していた。個人投資家を中心に日本株の急上昇は行き過ぎとの思惑から、下落を見込んだポジションを積み増していたことを示している。同ETFは日経平均株価が一日に1%下落すると、2%上昇するETFである。逆に、日経平均株価が1%上昇すると、2%下落するETFである。しかしながら、最近は受益権口数の増加に歯止めが掛かりつつある。日本株に対する見通しを弱気から強気に転換しつつあることを示唆している。

資料:野村アセットマネジメントHPよりDailyFX.comが作成。
売買動向では見通しの変化がより鮮明
日本株の現物と先物の週間部門別売買動向でも、海外投資家による日本株の買い越しが継続している。また、売り越しが続いていた個人投資家も日本株の現物と先物合計で小幅に買い越し超に転じている。日本株に対して弱気見通しから徐々に強気に転じつつあることを示唆している。このことは、個人投資家が一段と日本株に対する見通しを強気に転換することで、日本株が一段と上昇する可能性を示唆している。
日本株週間売買金額

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。先物は日経225とTOPIXの先物・mini合計。
日経平均株価(先物)テクニカル分析:個人投資家に支えられ一段高の可能性
日足チャートで、RSIは75と依然として買われ過ぎを示唆する70を超えている。一方、20日移動平均線からの乖離率は4.7%に留まっている。過熱感はあるものの、一時に比べて和らいでいる。また、日本株の一段高を示唆する三役好転が引き続き成立している。個人投資家は日本株に対する見通しを弱気から転換し始めたばかりであり、日本株の上昇トレンド継続を見込む。1990年以来の33,000円台、更に2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円が視野に入る。
日経平均株価先物日足チャート




資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著