日本株、日経平均株価、個人投資家、レジスタンス―トーキングポイント
- 日経平均株価は重要なレジスタンスを再トライ
- 個人投資家が新たな日本株の牽引役に浮上
- レジスタンス突破後は、日本株の上昇圧力が一段と高まることを見込む



日経平均株価は重要なレジスタンスである33,743円を再度トライしている。年初来の上昇ピッチの早さを懸念する声があるものの、日本株の過熱感は解消している。また、従来は海外投資家が日本株を牽引していたものの、個人投資家が新たな牽引役として台頭しつつあり、日本株の一段高を見込む。詳しく見てみたい。
個人投資家が新たな日本株の牽引役に
日経平均株価が重要なレジスタンスを再度トライしていることと歩調を合わせるように、個人投資家の投資行動にも重要な変化が見られる。日経ダブルインバースETFの受益権口数が減少に転じている。
主に個人投資家が投資していると思われる同ETFは日経平均が1%下落(上昇)すると、基準価額が2%上昇(下落)する。日経平均株価の下落を見込む個人投資家が多いと受益権口数が増加する傾向がある。受益権口数が減少に転じていることは、日経平均株価に対する見通しを弱気から中立、強気に転換している個人投資家が増えつつあることを示唆している。年初来の日本株の上昇は海外投資家に牽引されてきた側面があるが、新たに個人投資家が日本株の牽引役になりつつあることは、日経平均株価の一段高を示唆している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
日本株(日経平均株価)見通し
日経平均株価は、2008年から2021年にかけての値動きに基づいたフィボナッチエクステンション38.2%水準である33,743円を6月中旬にトライした後上抜けに失敗した。その後、反落したものの、20日指数移動平均線でサポートされ、日銀短観での良好な業績見通し等を背景に、33,743円を再度トライしている。重要なレジスタンスである33,743円を終値ベースで上抜けた場合、日本株の上昇圧力が一段と強まり、更なる上昇を見込む。1990年3月高値34,588円が視野に入る。
下落する局面では、20日指数移動平均線(現在32,808円)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、相場の地合いが強いことを投資家に印象付けよう。下方ブレイクした場合、上昇トレンドの反転を示唆するダブルトップパターンが形成され、4月以降の上昇トレンドがひとまず終了した可能性がある。
日経平均株価(先物)日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著