2023年4月20日9時33分更新。
日本株、ドル円、30,000円台、日本銀行―トーキングポイント



インフレには警戒も円安進展か
21日に日本の全国インフレ率が公表される。ヘッドライン、コアインフレ共に鈍化が見込まれている。4月27、28日には植田日銀総裁のもとでの初の金融政策決定会合が開催となる。日本銀行総裁・副総裁就任会見では当面の金融緩和継続が適切である旨を示し、早期の金融政策修正観測が後退している。Bloombergは日銀関係者が4月会合での金融政策修正に慎重な意見が広がっていることを報道した。ただし、インフレ率が市場予想を大幅に上ぶれた場合、早期の金融政策修正観測が再び高まり、ドル円や日本株の変動要因になろう。

早期の金融政策修正観測は一時に比べ後退したものの、依然として政策修正に対する警戒感は高い。3月中旬に世界的な金融不安が高まって以降、米国10年債利回りは低下しているものの、日本10年国債利回りは上昇しており、現在は上限の0.5%に近い水準で推移している。日米10年国債利回りの乖離は、日銀の早期の金融政策修正に対する警戒感が高いことを示唆している。
日米10年国債利回り

資料:Trading View
昨年末に日銀が日本国債のイールドカーブコントロール政策(YCC政策)を修正した際に、国債市場の流動性低下が政策修正の根拠の一つになっていた。現在、日本国債の流動性を示す指数は昨年の10月来の水準まで国債の流動性が改善しており、流動性の観点から早期に日銀が金融政策を修正する必要性は低下している。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
金融緩和の持続性を高める観点から、早期に日本銀行が金融政策を修正する可能性は高いと見るが、明日発表のインフレ率が大幅に上ぶれない限り、27、28日の会合にて金融政策修正を実施する可能性は低いと予想する。日銀が金融政策の現状維持を決定した場合、為替/FX市場では米ドル等の主要通貨に対して円安が進行する可能性がある。
日経平均株価先物テクニカル分析:一段の上昇
日経平均株価先物は年初来高値であった28,730円を更新した。日足チャートを確認すると、中立パターンであった対称三角形(シンメトリカルトライアングル)を上抜けており、一段の上昇トレンドを示唆している。
日経平均株価先物日足チャート

資料:Trading View
4時間足チャートは、20,50,200期間移動平均線は上向きであり、上昇トレンドを示唆している。RSIやMACD(移動平均収束拡散手法)では弱気の乖離(ダイバージェンス)が発生しておらず、一段の日本株の上昇を見込む。日経平均株価先物は2022年来の29,000円台、そして30,000円台が視野に入る。
日経平均株価先物4時間足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著