豪ドルの展望:ニュートラル
- 長期休暇前の米ドル高を受けて、豪ドル安が進行
- Fed(米連邦準備制度)は、RBA(豪中銀)が避けようとしている強引な利上げをしなければならない状況に追い込まれている
- 今週始めは米ドルが優勢になる可能性がある。水曜日のCPI発表は豪ドル/米ドルを上昇させるだろうか



豪ドルは再び、米ドルの変動による影響を大きく受けています。ただし、「世界の基軸通貨米ドル」が世界経済に及ぼす影響を考慮すれば、驚くことではありません。
Fedは今後数ヶ月間において、複数回の金利引き上げ(0.5%)をおこなうことをマーケットに想定させようと注力しています。
先週木曜日にジェローム・パウエルFRB議長は「5月の会合では0.5%の利上げが議題になるだろう」とコメントしています。
これにより、米国債のイールドカーブ全体が急上昇し、ベンチマークとなる10年債は2018年以来初めて3%を超える見通しです。
オーストラリアの輸出品におけるスポット価格は依然として高水準を維持していますが、コモディティマーケットのボラティリティは先週、落ち着きました。ウクライナ戦争は未だ不確実性が多くコモディティマーケットは乱高下が起こりやすい状況であり、豪ドルに影響を与える可能性があります。
来週の動向は当初、米ドルの強気相場が続くかもしれません。Fedはブラックアウト期間(政策決定会合の前後の時期に、金融政策や金融経済情勢について外部に発言することを禁じた期間)に入るため、マーケットはおそらく当初の意図を超えて、既存の情報を推定する傾向を示すでしょう。
オーストラリアでは月曜日が祝日のAnzac Day(アンザック・デー)で、マーケットの流動性が不安定になるため、米ドル高が大きく進行する可能性があります。
さらに4月27日水曜日に発表される第1四半期のオーストラリアCPIデータによる影響もあるでしょう。RBAは5月3日火曜日に政策金利を発表するため、豪ドル/米ドルの動向への影響が注目されます。

RBAは以前、金利の変動を決定する際にはCPIの数値を待つと述べています。
CPIが予想と近い場合、Fedの問題と利上げの緊急性を目の当たりにしたRBAは、行動を起こす可能性があるでしょう。
このシナリオが展開されると、豪ドル/米ドルは米ドルの強気により週の初めに下落し、その後、オーストラリアのCPI発表後に回復する可能性があります。
以下のチャートは、米ドルの動きに対する豪ドルの不安定さと、豪州債・米国債の金利スプレッドを示しています。
米ドルインデックス(DXY)および豪・米国10年債スプレッドに対する豪ドル/米ドル

DailyFX.comのストラテジストダニエル・マッカーシー著
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