


ハンセン指数は、数週間だけでなく、数ヶ月、場合によっては数年にわたり影響を及ぼす可能性のある大きな弱気のブレイクが起こるリスクを抱えている。
同指数は今年に入ってから、重要なサポートラインを次々と突破している。これには、2008年からの長期的な上昇トレンドライン、200ヶ月移動平均線(17年間のトレンドライン)、2020年3月の安値、2016年からの上昇トレンドラインなどが含まれている(チャート参照)。時の試練に耐えてきた長期的なサポートラインのブレイクは、構造的な数年単位の上昇トレンドが変化していることを示す警告サインであることが多い。
大局的な上昇トレンドに亀裂が生じたのは、2018年にインデックスが大金融危機前の高値を上抜けなかったことが最初である。その後、2021年に「より低い高値」を更新した。2009年からの上昇トレンドラインの下抜けは、数ヶ月の上昇トレンドが変化したことを確認するものだった。二次的でより低い高値は、サポートラインのブレイクをともなう場合、トレンド転換の強いシグナルとなり得る。
ハンセン指数 月足チャート

出所:TradingView
さらに、2009年からの上昇トレンドラインを割り込んだことで、2015年高値で左肩、2018年高値で頭、2021年高値で右肩という大きなヘッド&ショルダー(H&S)パターンが発生した。この状況は、今後数ヶ月から数年の間に、世界金融危機の安値である10,676に向かって下落する可能性を示唆している。
香港のベンチマーク指数は現在、2016年の安値18,279にある「砂上の楼閣」のサポートラインを試している。下方に決定的にブレイクした場合、インデックスが「低いギア」にシフトしたことを意味する。というのも、2017年以降、インデックスは2015年からの下落ピッチフォークチャネルの上限に位置しているからである。中央線を割り込むと、追加的な弱さを示唆する。重要なのは、明確に下方にブレイクした場合、構造的な上昇トレンドが反転したことが確認されることである。ここ数ヶ月、次々とサポートラインのブレイクを目撃してきたため、そのようなブレイクの確率は確かに高まっている。
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