


来る四半期の金価格(XAU/USD)の予想は難しい。本稿執筆時点では、1,670付近の重要なサポートラインの水準に留まっている。コロナパンデミックの初期に始まり、2021年3月に大幅な安値となった水準だ。
この安値はその後、7月中と、より最近にも試された。価格がこの水準を維持できなければ、金利上昇というテーマでドル高およびドル以外の下落が続く限り、先行きは芳しくない。
1,630付近にサポートラインがあり、そのあとは2019年の高値1,556まで何もなく、1,451付近に重要なサポート水準がある。現在の水準からするとかなり下げ幅のある水準だが、マーケット全体のボラティリティが高いため、そこまで下がるにはそれほど時間がかからないかもしれない。
もし金が1,670付近を維持できれば、反発する可能性も出てくるが、それはドルと株が好転した場合のみで、第4四半期中のある時点で予想されているものの、おそらくドルの上昇と株の下落に相当な動きがなければ続かないだろう。
10月に向けて、リスク動向に注目されたい。もし、株価がパニックに陥り、VIX(恐怖指数)が乱高下するようなことがあれば、年末に向けてマーケットに受け入れられるにつれ、転換のシグナルとなるかもしれない。もしそうであれば、ドルも下降し、金など他のマーケットにも一服感が生まれる可能性があるだろう。
金(XAU/USD)週足チャート

金とそのテクニカルな要因に関して、これを難しくしているのは、重要なサポート水準を下回る下落と、その間に根拠となる確固としたレベルがないまま上昇回復に転ずることが見られるという点だ。しかし、重要な水準を下回り、再び上昇すること自体が、強気バイアスに反転する根拠となるであろう。特に、上記のドルや株のシナリオと連動して起こるならなおさらだ。端的に言えば、金は短期的には脆弱に見えるものの、当四半期後半の高値を見込んでトレードできる安値が見られる可能性があるということだ。
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