※2023年3月23日14時08分更新
金、金/ドル、FRB、米新規失業保険申請件数 - トーキングポイント
- ドルが下落し米国債利回りが低下した中、FOMCに反応し金相場は上昇した
- SVBの影響を見極めるため、米新規失業保険申請件数に注目が集まる
- 金/ドルは重要なレジスタンスに向かって反発。今後の見通しは?



22日のニューヨーク金先物相場は約1.6%上昇した。パウエル議長は声明発表後の記者会見で、「FRBは現時点では今年の利下げ実施は考えていない」と強調した。とはいえ、米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻以降、今年の利下げを見込む市場関係者が増えていた経緯もあり、市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)声明でタカ派姿勢が弱まっている点に注目した。
今回のFOMC声明でFRBは、これまでの「継続的な引き締め」との考えを、適宜、追加的な利上げの「可能性がある」と利上げのトーンを下げた。これを受け、米2年債利回りは低下し、ドルは下落した。金は利子のつかない資産なため、ドル安と米債券利回りの低下は金相場にプラスに働いた。
ここで注意したいのは、市場は今年の利下げ実施を依然として織り込んでおり、FRBの金利見通しとは開きがある点だ。もし利下げ実施となれば、金相場は今月初めからの上昇を帳消しにするリスクにさらされることになる。このことを念頭に置くと、23日の金相場はどのような展開になるだろうか。
金/ドル 日足チャート
日足チャートを見ると、金相場は上昇に転じ、1,998-2,009の重要なレジスタンスゾーンに向かって上昇しているのが分かる。これは、弱気なチャートパターンである宵の明星の示現後に辿ると予想される下降軌道の可能性を低めている。このレジスタンスゾーンを終値で上回れば、ますます強気な見通しに傾く可能性が高まるだろう。一方、下降局面ではフィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準1,916を維持できるかが焦点となる。
資料:TradingView
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--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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