金、金/米ドル、FRB、テクニカル分析 – トーキングポイント



20日のニューヨーク金先物相場は下落。21日の米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利発表を控え、トレーダーがポジションを取ったことが背景にある。S&P 500種株価指数が前日比1.13%安となった中、ドルが安全資産として買われたことが、金先物相場に圧力をかけた。世界的に国債利回りが上昇している状況は、一般的に金には不利に働く。
金は、他の貴金属同様、元々金利を生まないため、金利に付随するインカムは得られない。金先物の価格はまた、世界中で決められるドルの価値によって決定される面が大きい。そのため、キャッシュの利益が(金利によって)上昇すると、金にとっては不利になる傾向がある。FRBによる金融政策の発表が金先物相場に大きな影響を与える可能性が高いのも、このためである。
では、市場の見方はどうだろうか。先週の米消費者物価指数(CPI)が驚くほど強かったため、100ベーシスポイント(bp)の利上げの確率が高まった。しかし、大半は75bpと予想している。これは、75bpの利上げ実施となった場合、リスク選好度が高まる可能性があることを意味しており、そうなれば、ドルを押し下げ、金を少し押し上げるかもしれない。しかし、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後は、ジェローム・パウエル議長の記者会見に注目されたい。
恐らく、ここが最も興味深いところだろう。経済学者やトレーダーは、金融引き締めにより、景気後退の可能性が徐々に高まっていると見ている。これを考慮し、FRBの政策担当者が積極的な金融引き締め政策を手控える可能性はないだろうか。FRBの積極的な引き締め姿勢が弱まるとの見方が若干高まれば、金は上昇するかもしれない。しかし、労働市場は依然としてひっ迫している。そのため、コアインフレ率が高止まりするリスクがあり、これはFRBにとっては良い兆候とは言えない。これらを踏まえると、今後、金は上昇余地があるかもしれないが、より長期的には下降トレンドが継続する可能性がある。
金先物 テクニカル分析
金先物相場は、フィボナッチ・エクステンション78.6%の水準のすぐ上に位置する馴染みあるサポートエリア1,651に戻ったが、依然として2021年の安値は下回っている。RSI(相対力指数)では、強気のダイバージェンス(値動きは下向きでRSIの下値は切り上がっている状態)が発生しており、下降モメンタムが弱まっていることを示している。このまま上昇に転じたら、20日単純移動平均線(SMA)を注視する必要がある。20日SMAがレジスタンスとして機能し、下値を維持する可能性がある。
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金 (XAU/USD) 日足チャート

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。