金、XAU/USD、米ドル、原油、ユーロ、ECB、豪ドル、RBA - トーキングポイント
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今週は米ドルが下落しているにもかかわらず、金相場は最近の安値付近にとどまり、反発の動きは見られない。米ドル指数(DXY)は今週これまでの時点で、約1.3%低下しているのに対し、金相場は0.3%の上昇にとどまっている。
米ドル安を引き起こしたのは、株式相場や景気に左右されやすい通貨、コモディティ市況に連動する通貨の押し上げにもつながった多くの要因に起因している。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げに対する市場予想は、100ベーシスポイント(bps)の利上げ確率が下がり、代わりに来週は75bpsの利上げと見ている。安全な避難先に資金が向かう動きが弱まっている現象は恐らく、長期金利の指標となる10年物国債利回りが再び3%を超えたことに最もよく表れている。
株式市場は、悪い材料はすべて出尽くしているという認識によって支えられているように見受けられる。
ネットフリックスは、加入者数の減少が市場予想より少なかったと発表したことを受け、上昇した。ツイッターも、イーロン・マスク氏を相手取って起こした訴訟で、裁判官が迅速な訴訟手続きを求めたツイッター側の主張を大筋で受け入れたことが好感され、上昇した。
今週のトウモロコシと大豆は、天気予報を手掛かりに、米国では作物の生育に適した天候が続くとの見方が広がり、下落している。小麦は、エジプトが入札を中止し、在庫を補充していることから、わずかに上昇している。
資源大手のヴァーレSAが鉄鉱石の減産を発表したことで、最近、下落基調だった鉄鋼価格は20日、下げ止まって底堅い展開となった。他の金属はアジア市場の取引時間帯にほぼ横ばいで推移しているものの、鉄鋼はいくらか下支えされた形だ。
中国は、未完成住宅を購入したローン返済者の不満を和らげるため、住宅ローン金利の基準となる5年物ローンプライムレート(LPR)を引き下げたかもしれないという憶測はあったものの、金利の引き下げは実施しなかった。中国の建設業者の債務不履行の影響が、開発業者や金融市場、実体経済にまで波及することへの懸念が高まっている。
欧州がガス消費量の15%削減を目指す中、ロシアは来冬にガスの供給を削減するとの懸念が広がっており、ロシア産ガスを欧州に送る主要パイプライン「ノルドストリーム1」からのガス供給に対する不透明感は依然として漂っている。
米国時間19日の原油相場は、WTI原油先物が1バレル=104米ドルを下回り、ブレント原油先物も107米ドルを下回って推移するなど、軟調な展開となった。
欧州中央銀行(ECB)が21日に50bpsの利上げに踏み切るとの観測が強まり、ユーロは米ドルに対して上昇した。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)は37.5bpsの利上げを織り込んでおり、市場の予想は25bpsと50bpsに分かれている。
オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のフィリップ・ロウ総裁が19日の講演で、この先、金利が大幅に上昇するのを防ぐために、今インフレに取り組む必要があるとの認識を示したことを受け、豪ドルは米ドルに対して上昇している。同時に、5月の選挙で勝利した労働党政権がRBAの見直しを進めており、その詳細も公表された。
20日は英国の消費者物価指数(CPI)の発表後、カナダでもCPIが発表され、米テスラの決算発表も控えている。
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金(XAU/USD) テクニカル分析
金価格は引き続き、下降トレンド局面にあり、先週1697で安値を付けて以来、狭いレンジで推移している。この下値が再び試される場合は、この水準が下値サポートとなる可能性がある。これを下回る水準として、2021年3月の安値である1677もサポートとして控えている。
上値では、1722、1753、1787のブレイクポイントが抵抗線となる可能性がある。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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