金相場 - トーキングポイント
金価格は狭いレンジで取引されているため、最近の戻りは失速しているように見える。8月のオープニングレンジを突破できなければ、50日SMA(1786ドル)に沿って下降局面が続く可能性がある。
金相場は、8月のオープニングレンジを上抜けられず、50日SMAに沿う動きに
金相場は、6月の値動きとは異なり、米非農業部門雇用者数(NFP)の発表後は下落分を戻しながら移動平均線の上値を試す展開となっており、月初の高値(1795ドル)を突破すれば、7月高値(1814ドル)に向かって上昇し続ける可能性がある。

しかし、7月の米消費者物価指数(CPI)総合指数は縮小すると見られているものの、コア指数は6月の前年同月比5.9%から同6.1%に上昇すると予想されており、金価格の最近の上昇を抑制する可能性は否めない。

資料:CME
CMEが提供するフェドウォッチによると、9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標水準が3.00-3.25%に上昇する確率は60%以上となっており、根強いインフレを示す経済指標が示されれば、米連邦準備制度理事会(FRB)は75ベーシスポイントの追加利上げに動くとの観測が強まるだろう。
FOMCは積極的な金融引き締めの姿勢を崩しておらず、米金利上昇への警戒感は金価格の上値を抑えると見られる。ジェローム・パウエル議長らがインフレ抑制に苦心していることから、金相場は年末まで逆風にさらされる可能性がある。
そのような状況を踏まえつつ、今週発表となる米CPIがインフレの粘り強さを示すと予想されていることを鑑みると、最近の金価格の上昇は抑制されるかもしれない。50日移動平均線(SMA、1786ドル)を上回る水準を維持できていないため、今後は下降している50日SMAに沿って下落し続ける可能性がある。
金相場 日足チャート

資料:Trading View
- 金相場は、年初来安値(1681ドル)から上げ幅を拡大しており、4月以来初めて50日SMA(1786ドル)の上値を試す展開となっている。月初のオープニングレンジの上辺を突破すれば、7月高値(1814ドル)に向かって上昇する可能性は高まる
- 1816ドル(61.8%エクスパンション)で終値を付けられれば、1825ドル(23.6%エクスパンション)から1829ドル(38.2%リトレースメント)のエリアが視野に入るが、月間高値(1795ドル)を突破できないと、下降する移動平均線に追随する可能性がある
- 移動平均線を上回る水準を維持できなければ、1761ドル(78.6%エクスパンション)から1771ドル(23.6%リトレースメント)近辺のエリアに向かって下落するかもしれず、さらに月間安値(1754ドル)を割り込むと、1725ドル(38.2%リトレースメント)が再び意識される展開となろう



--- DailyFX.com 為替ストラテジスト デイビッド・ソン著
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