金、Gold、FRB、ISM、PMI、XAU/USD―トーキングポイント



ISM製造業PMIはFRBを安心させる結果?
米国景気の先行指標であるISM製造業購買担当者景気指数(PMI)が公表され、全体の指数は好不況の分かれ目である50を下回り、市場予想も下回る結果(46)となった。サブ項目である新規受注は45.6と前回より改善し、先行きの経済は底打ちの兆しを示した。また、価格及び雇用指数は低下した。雇用情勢が悪化、更にインフレ圧力が低下しつつあることを示した。
ISM製造業PMIの結果

先行指標の一つに過ぎないものの、インフレ圧力が和らぎつつあることは、利上げ打ち止めが視野に入るFRBを安心させる結果であった。ISM製造業PMIが市場予想を下回ったことを受け、一時米国金利は低下したものの、その後上昇に転じた。金価格は米国金利が一時低下したことを受け、上昇する局面があったものの、前日比ではほぼ横ばいであった。金利が付かない金は、米国金利上昇(低下)局面で相対的な魅力度が低下(上昇)し、金価格が下落(上昇)する傾向がある。
ISM製造業PMIはインフレ圧力の低下を示唆し、FRBを安心させる結果であったものの、当面の金価格の見通しは弱気である。詳しく見てみたい。
金価格(XAU/USD)の見通し:弱気
金価格は1,900ドル(1トロイオンス当たり)を巡る攻防が続いている。週足チャートで、RSIは50割れ目前であり、下落トレンドへの本格的な転換が近付きつつある。MACDラインは下向きかつ、シグナルラインを下回っており、下落トレンドを示唆している。
金価格(XAU/USD)週足チャート

資料:Trading View
日足チャートでも、RSIは50を下回っており、弱気モメンタムが継続している。また、9日指数移動平均線を上回れず、相場の地合いが弱いことを印象付けている。金価格は、1,900ドルを下抜けると、下落トレンドが一段と鮮明になり、3月9日安値の1,812ドルへの下落が視野に入る。
一方、上値として1,935ドルが挙げられる。以前は強固なサポートラインとして機能していた。しかしながら、6月21日に終値ベースで下方ブレイクした結果、強固なレジスタンスラインに転換した可能性があり、上値余地は限定的と見込む。
金価格(XAU/USD)日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著