金、Gold、レンジ、FRB、FOMC、利上げ―トーキングポイント



パウエル米FRB議長は利上げに言及
米FRBは6月FOMCで政策金利を据え置いたものの、更に2回の利上げの実施を示唆した。また、21及び22日にパウエルFRB議長は上下院で証言し、インフレ目標(2%)達成のために、年内に1~2回の追加利上げが必要になる可能性について言及している。
金価格と米国の政策金利、金融政策は深い関係にある。金利が付かない金は、米国金利上昇(低下)局面で相対的な魅力度が減少(増加)し、金価格が下落(上昇)する傾向がある。パウエルFRB議長の発言を受け、米国金利が上昇する中、金価格は下落した。
力強い景気、高止まりするインフレ
米国の即時版GDP成長率やインフレ率は、米国景気は底堅く、インフレが高止まりしていることを示唆している。このことは、FRBが利上げもしくは、高い政策金利水準を維持する必要性を示唆していよう。米国金利が上昇すると金価格は下落する傾向があるので、FRBの金融引き締めスタンスは、金価格にとってマイナスである。
米国即時版GDP成長率(左)・コアCPI(右)

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 1% | 9% | 2% |
週次 | 26% | -30% | 11% |
金価格(XAU/USD)のテクニカル分析:レンジ相場が終了
MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは下向きかつシグナルラインを下回っており、下落の勢いが増しつつある。金価格は5月中旬以降レンジでの推移が続いたが、とうとうサポートライン1,935ドル(1トロイオンス当たり)を終値ベースで下方ブレイクした。レンジ相場が終了、下落トレンドへと転換したことを示唆しており、金価格は、心理的節目かつ200日移動平均線に近い1,900ドルが視野に入る。1,900ドルを下抜けると、下落トレンドが一段と鮮明になり、3月9日安値の1,812ドルへ下落する可能性がある。
一方、上値として1,935ドルが挙げられる。下方ブレイクした結果、強固なサポートラインが一転、強固なレジスタンスラインに転換した可能性があり、上値余地は限定的と見込む。
金価格(XAU/USD)日足チャート

資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著