インフレ、GBP、GBP/JPY、GBP/USD、BOE、金融政策決定会合-トーキングポイント



英中銀の金融政策への影響
昨日公表の英国インフレ率の伸び(前年比)は全体で8.7%と前月から変わらず、コアインフレ率は7.1%と前月より加速した。緩やかながらインフレの鈍化が見られる国が多い中、英国ではインフレ鎮静化の兆しが見えず、他国以上の利上げ、金融引き締めの必要性に迫られている。

このような中、英中銀(BOE)が金融政策決定会合を本日開催する。高インフレを背景に利上げの実施及び年内の利上げ継続が予想されている。今回会合を含めて来年頭まで計6回の利上げが織り込まている。FRB、ECBがあと1~2回前後の利上げが金融市場で織り込まれているのとは対照的である。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
英ポンド先物のヘッジファンドポジション:中立
英ポンドドルのヘッジファンド等(投機筋)のポジションは小幅なネットロング(ロング―ショート)に留まっている。英中銀が当面の利上げ継続スタンスを示したした場合、一段のロングポジションの積み増し(英ポンド高要因)余地がある一方、近い将来の利上げ停止の可能性に言及した場合、ショートポジションを積み増す(英ポンド安)余地がある。ヘッジファンド等のポジションは英ポンドにとって中立である。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
英ポンド/日本円のテクニカル分析
日足チャートを確認すると、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは上向きかつ、シグナルラインを上抜けており、上昇の勢いが衰えていない。英中銀が当面の利上げ継続スタンスを示した場合、2020年3月から2023年1月の値動きに基づいたフィボナッチエクステンション61.8%水準の185.10円をトライしよう。
一方、近い将来の利上げ停止を示唆した場合、9日指数移動平均線(現在179.4円)でサポートされるかに注目。サポートされた場合、GBPの地合いが強いことを投資家に印象付け、再度上値をトライしよう。一方、下方ブレイクした場合、20日指数移動平均線までの下落が視野に入る。
英ポンド/日本円の日足チャート

資料:Trading View
英ポンド/米ドルのテクニカル分析:英ポンド高米ドル安
週足チャートで、上昇レクタングルパターンを上抜け、上昇トレンド(英ポンド高米ドル安)が鮮明になっている。また、RSIは65と、英ポンド高圧力が強いことを示唆しているものの、70を下回っており、買われ過ぎの水準に達していない。英中銀が利上げ継続スタンスを示した場合、現状の英ポンド高トレンドが継続しよう。心理的節目である1.30が視野に入る。
一方、英中銀が近い将来の利上げ停止を示唆した場合、20期間指数移動平均線とほぼ同じ水準に位置し、上昇レクタングルパターンの上限1.24705でサポートされるかに注目。下方ブレイクした場合、英ポンド高トレンドが終了、1.20まで下落する可能性がある。
英ポンド/米ドル(GBP/USD)週足チャート

資料:Trading Viewより作成



--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著