2023年における多くの資産クラスの特徴はレンジ相場であり、豪ドル/米ドルもその一例である。今年半ばの時点で、豪ドルは2022年の高値0.7660も安値0.6170も試すまでに至っていない。



非対称な三角保ち合い – 豪ドル/米ドル
大局的に見ると、豪ドル/米ドルはパンデミック発生時に55米セントに近い安値を付けた後、政府と中央銀行の政策対応を背景に80米セント超まで回復した。豪ドル/米ドルはこれらの範囲の中で価格が変動しており、非対称な三角保ち合いが形成されている。
その三角形は上側の下降トレンドラインと、下側の上昇トレンドラインによって形づくられている。このパターンを示す下のチャートの時間軸を考慮すると、豪ドル/米ドルはこの三角形の中で長期間取引を続ける可能性がある。そうすることで、レンジ取引の環境を保つことになる。
しかし、非対称な三角保ち合いのどちらか一方を突破すれば、その方向へ勢いが増すかもしれない。この間、以前の高値、安値、ブレイクポイントは注目すべき水準となる可能性がある。参考までに下のチャートの右側をご覧いただきたい。
豪ドル/米ドル 週足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ダニエル・マッカーシー



レンジ取引 - 豪ドル/NZドル
豪ドル/NZドルがレンジ相場になりやすい通貨ペアとして知られるのは、2国の経済が類似し、地理的にも近いことを考えれば驚きではない。この通貨ペアは10年間、1.0000から1.1700のレンジで取引されている。
下の週足チャートをよく見てみると、豪ドル/NZドルは下落し52週単純移動平均線(SMA)の下にある。そのSMAをいつもというわけではなく時々超えるが、これは基本的なモメンタムの指標となっている。
目先の弱気モメンタムが展開する場合、サポートラインは以前の安値付近の1.0560、1.0470、1.0360、1.0315、1.0280となろう。もし反転し52週SMAを上抜ければ、強気のモメンタムが展開し、ブレイクポイントや過去のピークである1.1050、1.1090、1.1175、1.1240または1.1490付近がレジスタンスラインとなるだろう。
豪ドル/NZドル 週足チャート
出所:TradingView、チャート作成:ダニエル・マッカーシー