金融政策、日本銀行、FRB、ECB、雇用、インフレ―トーキングポイント



来週(6月12日~16日)は、日米欧の金融政策決定会合に加え、重要な経済指標が発表になる。
金融政策決定会合
日米欧の中央銀行が金融政策決定会合を開催。日本銀行は金融政策変更なし、米FRB(連邦準備制度理事会)は政策金利据え置き、ユーロ圏ECB(欧州中央銀行)は利上げが見込まれている。各中央銀行ともに今後の金融政策スタンスに注目。日本銀行が金融政策の変更、FRBが今後の利上げ、ECBが近い将来の利上げ停止を示唆した場合等は株式、商品、為替/FX市場の大きな変動要因になる。
会合スケジュール

資料:DailyFX.com世界の中央銀行カレンダー2023
米国:FRBの利上げスタンスは?
インフレ率、小売り売上高が公表。インフレ高止まりが示された場合、FRBの利上げ観測が高まり、米ドル高が進展する可能性。FOMC(米連邦公開市場委員会)では、7月以降の政策金利スタンス、政策金利の最終到達水準に注目。利上げの可能性を強く示唆した場合、米ドルが主要通貨に対して強含む展開を見込む。








資料:Trading Economics。
日本:金融政策見通しに変化は?
日本銀行による当面の金融緩和維持を見込んでいるが、今後の金融政策スタンスに注目。近い将来の政策変更の可能性を示唆した場合、円高、株安、日本国債の金利が上昇する可能性がある。一方、当面の金融緩和環境維持を示唆した場合、円安、株高が進展する可能性。


資料:Trading Economics、財務省。



中国:景気回復期待は萎んでいるが・・・
人民元建て融資、住宅価格、小売売上高等の指標が公表。ゼロコロナ政策撤廃による中国景気の回復期待は萎んでおり、投資家の期待値は下がっている。強い景気回復を示唆する内容であった場合、投資家のサプライズとなり、中国需要の高まりとの思惑から資源高、資源国通貨高が進展する可能性。



資料:Trading Economics
ユーロ圏:利上げスタンス継続なるか



ECB理事会では利上げが見込まれているが、今後の利上げ見通しに注目。近い将来の利上げ停止を示唆した場合、ユーロ安の展開も。また、今までの利上げを受け、ユーロ圏の景気減速懸念が高まっており、ZEW景況感指数にも注目。


資料:Trading Economics
豪州&ニュージーランド:豪州雇用情勢に注目
ニュージーランドでは第一四半期GDP成長率が公表。景気減速を示した場合、一段の利上げ織り込みの後退、ニュージーランドドル安が進展する可能性。豪州では雇用統計が発表。雇用の引き締まりを示した場合、豪州準備銀行(RBA)による一段の金融引き締め観測から豪ドル高が進展する可能性。


資料:Trading Economics
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
新たなレポートの配信等はDailyFX Japanのツイッターでも確認できます。
-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著