ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、FRB、FOMC、デイリー米連銀総裁、米国債、エネルギー - トーキングポイント
- ドル高が復活するにつれ、ユーロを下支える力は弱まっている
- FRBは金融引き締めの意図を市場に思い起こさせ、米国債利回りはそれに反応
- 北半球の冬が厳しければ、ユーロ/ドルは下落トレンドを再開するのか?



今週のユーロ/ドル相場は、米ドルが他の通貨に対して幅広く弱含んでいるにもかかわらず、パリティを超えることができなかった。市場は、米連邦準備制度理事会(FRB)が積極的な引き締め姿勢を弱めると期待していたが、その希望は打ち砕かれた。
サンフランシスコ地区連銀のメアリー・デイリー総裁はここ数日、他のFRB高官同様、11月初旬に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)の次回会合で、追加で実施されると見られている大幅利上げに市場が備えられるよう、多忙を極めている。
今週これまでにデイリー総裁は、インフレは「腐食性」「有毒性」「問題性」があると指摘し、国民から聞こえてくる痛みは、雇用面ではなくインフレ面によるものであると述べてきた。
市場は75ベーシスポイント(bp)の利上げを織り込みつつあり、米1年国債利回りは再び4.20%に近づいている。
大西洋の反対側では、欧州中央銀行もまた、10月27日の理事会で75bpの利上げを実施すると予想されている。前回理事会での議事録は本日6日(日本時間午後8時半)に発表される予定で、10月の理事会に向けた欧州中銀の考えが見えてくるかもしれない。
北半球では冬が間近に迫っており、エネルギー危機に直面している欧州大陸にとっては大きなリスクとなる可能性がある。多くの欧州諸国が備蓄を補うためにかなり奮闘しているが、ロシアの供給分を完全に埋め合わせられるのはまだ先であり、工業生産をはじめ、欧州連合(EU)の経済にある程度、影響を与えるかもしれない。
FRBがタカ派的な姿勢を改めて示していることや、ユーロ圏経済の脆弱性が根底にあるため、ユーロ/ドルの下降トレンドは維持される可能性がある。



ユーロ/ドル テクニカル分析
ユーロ/ドルは、下降しているトレンドチャネルの上限ライン(レジスタンスライン)を超えられず、チャネル内にとどまっている。この上限ラインと55日単純移動平均線(SMA)を終値で上回れば、弱気派の勢いが後退していくシグナルとなる可能性がある。
今のところ、価格は55日および100日SMAの下、かつ21日SMAの近辺、かつ短期の10日SMAの上に位置している。これは、基本的に弱気のモメンタムはまだ優勢だが、短期的には今のところ、その勢いは失速していることを示唆している。
今月上旬の高値1.0198と今週の高値0.9999は、ブレイクポイントが集まるエリアと過去の高値レンジである1.0340-1.0370付近を前に、レジスタンスとなる可能性がある。
下値サポートは、ブレイクポイントの0.9864、または直近の安値0.9536になりそうである。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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