※2023年8月31日14時47分更新
ユーロ、ユーロ/ドル、ドル、ユーロ/円、円、欧州中銀、ラガルド総裁、ユーロ圏CPI - トーキングポイント
- 今週のユーロは対ドルでフィボナッチ水準から反発 している
- ユーロ/円は、しっかりと円安が進む中、上昇している
- きょう発表のユーロ圏CPIは、欧州中銀の今後の動きを読み解く鍵になるかもしれない。これによりユーロ/ドルは上昇するか?



ユーロ/ドル見通し
30日の外国為替市場(アジア時間)でユーロ相場は3日続伸。対ドルで先週金曜に付けた2カ月ぶりの安値から上昇する流れが続いており、きょう31日の取引に向けて引き続き、好地合いとなっている。
対円では、ユーロは昨日、2008年以来の高値水準で取引され、金融政策における格差の顕在化が露呈したように見える。
ドル/円は29日に10カ月ぶりの高値を付けたが、現段階では為替市場に日銀による介入の気配はない。
先日のジャクソンホール会議で、欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁はインフレに対する懸念を表明したが、金利の方向性についての明確な言及は避けた。
とはいえ、ラガルド総裁はインフレ率を下げるために、必要であれば金利は高水準を維持する可能性があると明言した。
きょう夕方(日本時間)に発表される8月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)総合指数は、ブルームバーグのエコノミスト調査では、前年同月比5.1%上昇と、前月(5.3%上昇)を下回ると予想されている。コアCPIも同5.3%上昇と、前月(5.5%上昇)より低下すると見られている。
昨日発表のスペインとドイツのCPIは予想をわずかに上回ったため、ユーロ圏CPIが大きく下振れるとユーロ相場のボラティリティは上昇しそうだ。
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ユーロ/ドル 日足テクニカルチャート
ユーロ/ドルは今週ここまで3日間、堅調に推移しており、30日は下降トレンドラインを上方ブレイクした。
その際、21日および200日単純移動平均線(SMA)と一連のブレイクポイントも上抜けた。
これらの動きにより、1.0904に位置する21日SMA、1.0830-1.0835エリアに存在する一連のブレイクポイント、そして現在1.0814に位置する200日SMAがサポートとなる可能性がある。
また、フィボナッチ・リトレースメント78.6%の水準1.0770付近もサポートになり得る。この水準は先週、維持され、その後上昇に転じたレベルである。
一方、さらに上昇した場合は、1.0970付近の55日SMAが目先のレジスタンスになりそうだ。
また、1.1065-1.1095のエリアもレジスタンスを提供する可能性がある。いくつかの過去のブレイクポイントのほか、直近の高値が存在するこのエリアは、心理的水準1.1100のすぐ下に位置している。
さらなる上昇局面では、2022年3月の高値1.1185や直近の高値1.1275というブレイクポイントがレジスタンスになり得る。
これらのレベルより上の水準では、1.1095から1.0635への動きを反映したフィボナッチ・エクステンションの水準1.1380がレジスタンスとなる可能性がある。そのすぐ上には、1.1385-1.1395のエリアにさらなるブレイクポイントが控えている。
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資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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