テクニカル分析によるS&P 500とナスダック総合指数の見通し：2023年初頭にレンジ相場で安定する
米国の株価指数は、調整的な下落局面が終わりに近づいており、2023年にはレンジ相場内で安定する可能性があることを示す一時的な兆候が現れている。
S&P 500は2022年1〜10月に27%下落し、ナスダック100は同期間で37%下落した。両指数とも200週移動平均線付近が強力なサポートラインとなっており、パンデミック以前の高値をわずかに上回っている。前回の四半期レポートでは、米国の株価指数は下落が進んでいる可能性があると主張していたが、米国株の下落トレンドが終わったかどうかはまだ明確ではない。
なぜなら、指数に対するサポートラインがあり、下落リスクが低下したものの、10月からの反発が調整的なものなのか、または2022年の下落トレンドの終わりかどうかは定かではないためである。つまり、指数が10月の安値を再び試す（またはそれを下回る）のか、あるいは今後上昇する可能性があるのか不明確なのだ。前四半期のレポートで指摘されたように、月足および四半期チャートの200週移動平均線が上向きであり、MACDもプラスの領域にあることは、長期的なトレンドが上昇し続けていることを示している。2つの指標をそれぞれ確認してみよう。
テクニカル分析によるS&P 500の見通し：中立
月足チャートが示すように、モメンタムは衰えているように見えるが、14週のRSI（相対力指数）は60の水準に向かって上昇できなかった。60以上の数値はモメンタムの強さを示すだけではなく、トレンドの反転を示すこともある。現在の反発は、RSIが60を下回って失速した6〜8月の反発と同様であり、その後、指数は再び下落して安値を更新している。
S&P 500 週足チャート
出所：TradingView
さらに、指数は重要なレジスタンスラインをブレイクしていない。2022年初頭からの下降トレンドラインの上端、89週移動平均線、8月の高値である4325という集中したレジスタンスラインが重要な水準になっている。中期的な下落リスクが薄らぐためには、このレジスタンスラインをブレイクする必要がある。
S&P 500 月足チャート
出所：TradingView
2023年初頭には、2つのシナリオが想定される。どちらも、まず下落してから安定・反発することが予測される。問題はどの程度下落するかである。次の四半期において好ましい1つ目のシナリオは、指数が10月の安値に対してより高い安値を付けた後、最終的に上記のレジスタンスラインを超えることである。
2つ目のシナリオは、確率は比較的低いが、指数が10月の安値を下回るものの、心理的な節目である3000に近い89カ月移動平均線付近でサポートされることである。その後の反発は1つ目のシナリオよりも浅くなる可能性がある。
テクニカル分析によるナスダック100の見通し：やや弱気
ナスダック100の見通しは、S&P 500に比べてやや弱気である。どちらのシナリオも10月の安値を下回ると予測している。
ナスダック100指数 月足チャート
出所：TradingView
好ましいシナリオは、指数が10月の安値を下回り、パンデミック以前の高値である9737に向かって下落し、89カ月移動平均線に近い2016年からの上昇トレンドラインで反転することだ。あまり好ましくない2つ目のシナリオは、指数が2018年の高値である7692に向けて10月の安値を下回ってから、上昇することである。
2023年第一四半期の見通し：S&P 500とナスダック総合指数のガイドブック【完全版】をダウンロードする
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
