テクニカル分析による米国株の見通し:第2四半期は有効なブレイクが現れるか?
2023年第1四半期のウォール街のパフォーマンスには、同じ株式指数の間で乖離があった。ハイテク株中心のナスダック100が先行し、優良銘柄で構成されるダウ平均はアンダーパフォームとなった。ダウに対するナスダックの比率は急上昇し、8月以来初の高水準を記録した。
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ダウ平均の予想
週足で見ると、ダウ平均は比較的穏やかな第1四半期となった。レンジは狭く、ダウ平均はほぼ横ばいで第1四半期最後の数週間に向かった。これは、2022年最後の3カ月間に見られた15.5%の力強い上昇とは対照的であった。控えめなパフォーマンスにもかかわらず、第2四半期も引き続き注目すべき重要なテクニカル的な水準が強化された。
レジスタンスゾーンとしては、34246~35228のレンジが強化された。このレンジは8月に現れ、ここ数カ月間、これを試す動きとなっている。一方、主要なサポートラインはフィボナッチリトレースメント23.6%の32408と、2020年からの長期的な上昇トレンドラインである。ダウ平均がこれらの間にとどまる限り、テクニカル的な見通しは中立を維持する。
高値を更新すると、史上最高値の36832が焦点となる。一方、トレンドラインを下回ると、28635~29543のサポートゾーンが見えてくる。
ダウ平均 週足チャート
TradingViewでチャート作成
S&P 500の予想
第1四半期は、S&P 500がダウ平均より良い結果を残した。下の週足チャートでは、9月以降この指数が安定して推移していることがわかる。ダウ平均同様、意味のあるテクニカル的な進展はなかったが、主要なサポートとレジスタンスは強化された。
レジスタンスゾーンについては4180~4327のレンジが試されたが、指数は意味のある上昇ができなかった。同時に、12月19日の安値である3788と2020年からの上昇トレンドラインの組み合わせが、当面のサポートラインとして残った。後者をクリアすることで、3502~3639の価格帯が焦点となる。これらの重要なポイントがブレイクされるまでは、テクニカル的な見通しは中立を維持する。
S&P 500 週足チャート
TradingViewでチャート作成
ナスダック100の予想
ダウ平均やS&P 500に比べ、ナスダックは3月末に向けてアウトパフォームした。指数は、9月中旬の高値である12987を試した。それでもまだ2022年8月の高値である13740の上に、もう一段レジスタンスゾーンが残る。一方、サポートラインとゾーンは2020年からの上昇トレンドラインと昨年末以降の底値10484~11068の組み合わせである。指数が13740と10484の内にとどまっている間は、中立を維持する。上昇すると14863~15268の価格帯が見えてくる。その一方で、サポートラインを割るならフィボナッチリトレースメントの78.6%である8798が目標になるだろう。
ナスダック100 週足チャート
TradingViewでチャート作成
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--- Written by Daniel Dubrovsky, Senior Strategist for DailyFX.com
To contact Daniel, follow him on Twitter:@ddubrovskyFX