NYダウ、S&P 500、個人トレーダーのポジション状況、テクニカル分析 – IGCSによる株式市場アップデート



ここ数週間、ダウ工業株30種平均とS&P 500種株価指数は、レンジ相場から抜け出せずにいる。ボラティリティが低下し続ける中、個人トレーダーは持ち高を調整し続けている。これは、IGクライアントセンチメント(IGCS)を見れば分かる。IGCSは時に逆張り指標として機能することがある。IGCSからは最近、弱気のシグナルが示されている。詳しく見てみたい。
NYダウのセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、ダウ平均を取引する個人トレーダーの約37%がネットロング(ダウ平均を買い持ち)にしている。ほとんどの持ち高はまだネットショートに傾いているため、価格は上昇し続ける可能性が示唆されている。しかし、昨日、先週のネットロングのポジションはそれぞれ31.24%、42.63%増加している。このことを考えると、価格はまもなく下降に転じる可能性がある。
NYダウのテクニカル分析
日足チャートでは、流れ星のローソク足パターンの余波が続いているうえ、上昇モメンタムが低下していることから、ダウ平均はやや下値を目指す展開となっている。上昇モメンタムの衰えは、ローソク足パターンが示現した際にRSI(相対力指数)で弱気のダイバージェンスになったことで示された。弱気の動きが今後さらに進む可能性があることを示している。当面のサポートは、フィボナッチ・リトレースメント23.6%の水準33,672である。これを割り込むと、38.2%の水準32,709が意識され、その後は31,640-32,017ゾーンが控えている。
資料:Trading View
S&P 500のセンチメント見通し - 弱気
IGCSによると、S&P 500種株価指数を取引する個人トレーダーの約36%がネットロング(S&P 500を買い持ち)にしている。ほとんどのポジションがネットショートに偏っているため、価格は上昇する可能性が示唆されている。一方、ネットロングのポジションは、昨日、先週に比べ、それぞれ15.11%、12.72%増加している。このような最近のポジションの変化は、価格がまもなく下降に転じる可能性を示唆している。



S&P 500のテクニカル分析
S&P 500種指数は、アセンディングトライアングル(上昇型のトライアングル)が示現しているように見える。最近、価格はこのトライアングルのフロア(底辺)である3月から続く上昇トレンドラインから切り返した。一方、天井は1月に形成された4,208付近である。ブレイクアウトの方向性が、今後のトレンドを見極めるうえで鍵を握りそうだ。下降した場合、3月の安値3,839が意識される。一方、上昇に転じた場合は、61.8%の水準4,275を上回れるかどうかが焦点となる。
資料:Trading View
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
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