※2023年6月8日11時21分更新
NYダウ、ナスダック100、債券利回り、テクニカル分析 – APAC市場まとめ



国債利回りが上昇する中、NYダウとナスダック100の値動き比較
7日の米国株式市場で、優良株で構成するダウ工業株30種平均がわずかに上昇した一方、ハイテク株のトレンドを示すナスダック100指数は1.75%下落し、1日の下げ幅としては4月25日以来最大となった。実際、ナスダック/ダウ平均比率は2.02%下落し、昨年10月27日以来、7カ月超ぶりの下落率となった。両指数の乖離した動きの理由とは何か、またそれは今後のセンチメントに影響を与えるのだろうか。
ハイテク株が振るわなかった7日は、主要先進国の10年債利回りが軒並み上昇した。主要国(米国、カナダ、オーストラリアなど)の10年債利回りは7日、平均で3.78%上昇した。1日の上昇率としては昨年12月20日以来最大となる。成長企業にとって、金利上昇は痛手となり、ますます困難な状況に直面している。
国債利回りの急上昇は、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)とカナダ銀行(同)による予想外の利上げという、2つの重要な出来事がきっかけだった。前者は今週初め、後者は7日に政策金利を引き上げた。両行の利上げ決定は、市場にインフレとの戦いが終わっていないことを思い起させただけでなく、米連邦準備制度理事会(FRB)など他の主要な中央銀行が追随する可能性があることも示した。
そのため、米国株式市場では悲観的な見方が支配的で、8日のAPAC(アジア太平洋地域)市場でもそれを引き継ぐ可能性がある。よって、オーストラリアのASX 200株価指数や香港のハンセン株価指数など現地の株価指数は軟化するリスクがある。8日は目立った経済指標の発表がないため、センチメントが引き続き、相場を動かす主因となりそうだ。
ナスダック100のテクニカル分析
日足チャートでナスダック100は、フィボナッチ・エクステンション100%の水準14,271まで下落している。同指数は、20日単純移動平均線と1月のトレンドラインに沿って値を上げており、明確な上昇トレンドが続いている。この水準から意味のある下降とならない限り、上昇トレンドが反転することはなさそうだ。主要なレジスタンスは、123.6%の水準14,852で、その後は15,768が視野に入る。
ナスダック100 日足チャート
資料:TradingView



--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。