2023年第2四半期のほとんどの期間において、北海原油の価格はボラティリティが収まるにつれて、1バレルあたり70ドルから80ドルの間で変動してきた。このレンジ内の動きは、第3四半期に向けてブレイクアウトする可能性を高めている。テクニカル分析によるシグナルは、ファンダメンタルズに存在する強気のバイアスを支持しているのだろうか。
北海原油 週足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ウォーレン・ベンケタス
上の週足チャートを見ると、北海原油の値動きは弱気筋が何度もサポートゾーンを試しているにもかかわらず、第2四半期を通じて200週移動平均線(青)を維持している。このサポートラインと200週移動平均線が重なる重要なレベルを週足が下抜ければ、下落し続ける可能性があるが、ファンダメンタルズ分析で言及した「下限」を考慮すると、現時点では弱気筋にとって希望的観測に過ぎないかもしれない。長期的な見通しでは、原油価格は2022年3月のピークから急落しており、下落の勢いが弱まっていることを示唆している可能性がある。



北海原油 日足チャート

出所:TradingView、チャート作成:ウォーレン・ベンケタス
上の日足チャートに注目すると、第3四半期までの数週間はレクタングル(青)を形成している。そのためトレーダーは、レジスタンスラインを上回る、またはサポートラインを下回るブレイクを探すことになるだろう。価格は現在、50日移動平均線と200日移動平均線を下回っており、下降トレンドを示している。レジスタンスラインをブレイクするには、まず50日移動平均線(黄)を上抜けることが必要であり、その後にレクタングルのレジスタンスラインが見えてくる。
主要なレジスタンスレベル:
- 90.00ドル
- 85.00ドル
- 200日移動平均線
- 82.38ドル
- トレンドラインのレジスタンス
- 80.00ドル
- レクタングルのレジスタンスライン
- 77.23ドル / 50日移動平均線
主要なサポートレベル:
- 75.00ドル
- 71.40ドル
- レクタングルのサポートライン
- 70.00ドル
- 65.79ドル
テクニカル分析による見通し結論: 80.00ドルに向けて強気
価格が上昇するシナリオには、強気筋の2つのフェーズが含まれている。第1フェーズには、まだ突破されていない長期的なトレンドラインのレジスタンス(黒)に焦点が当てられる。ファンダメンタルズ要因(米ドルの下落、原油需給の逼迫、原油需要の増加など)が発生すれば、このレジスタンスラインは突破される可能性が高くなるだろう。第2フェーズでは、突破された時点から強気相場が継続し、200日移動平均線(青)を捉えられるかどうかが重要である。第3四半期以降に上昇シナリオが達成されるかどうかは、ファンダメンタルズ要因によって決定されるが、現状では買い取引を支持する見通しである。