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原油先物は下落。逆ざやは縮小し、OPECと米EIAの発表を前に手控え感

原油先物は下落。逆ざやは縮小し、OPECと米EIAの発表を前に手控え感

このページの内容

原油、ブレント原油、イラン、EIA、OPEC、逆ざや、テクニカル分析見通し – トーキングポイント

  • 週明けは堅調に推移したWTI原油先物とブレント原油先物だが、次第に先行き不透明感が広がり下落
  • 米国とイランの合意により、イラン産原油が市場に復活する可能性がある
  • 原油先物が心理的水準90を下回れば、フィボナッチ61.8%の水準を再び試す展開か
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9日のアジア太平洋市場でWTI原油先物およびブレント原油先物は弱含み。週明けは買い優勢で始まったが、現在は約0.10%安の水準付近で推移している。中国の7月の貿易収支は予想を上回る黒字と、外需が好調であることを裏付ける内容となり、景気後退懸念の後退に一役買った。中国の石油輸入量も6月に比べて増加したが、それでも前年同月比では減少している。

2015年の米国とイランの核合意を立て直すための最終文書が、過去1年半に及んだ数回の交渉を経て、今週初めにようやくまとまった。ワシントンとイランがこの最終の妥協案に記された条件に合意すれば、石油輸出を含むイランへの制裁が解除される可能性がある。具体的な時期は不明だが、イランは日量100万バレルを超える原油を供給できるようになる可能性が高い。追加的な供給がもたらされるため、この合意は原油価格への下落圧力となりそうである。

一方、市場では、米石油協会(API)の週間石油統計と米エネルギー情報局(EIA)の原油在庫統計の発表が注目されている。アナリスト予想では、EIAが発表する8月5日までの1週間の原油在庫は40万バレル減少すると見られている。今週後半には、石油輸出国機構(OPEC)が月例報告書(MOMR)を発表する予定だ。今週発表される米国のCPI(消費者物価指数)総合指数がコンセンサス予想(前年同月比8.7%上昇)を上回れば、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ観測が強まる可能性がある。その場合、原油を含むコモディティ価格の重しとなる可能性が高い。

WTI先物の限月間スプレッド(同一の先物商品において異なる限月取引間の価格差)は、4週連続で下落した後、4月以来の低水準に近づいている。まだ逆ざや(バックワーデーション)の領域ではあるが、コモディティにとっては弱気のシグナルとなる。原油コストと石油製品価格の差額である精製マージン取引の指標であるクラックスプレッド(RBOB/CL 1:1)も、大きく下げ幅を広げている。全体としては弱気シグナルだが、最終的には在庫水準と、OPECの報告書を含む広範なマクロ経済指標が相場の値動きを左右する可能性が高い。

WTI原油先物 テクニカル分析見通し

WTI原油先物は、アジア太平洋市場で下げ幅を拡大し、心理的水準である90を割り込みそうな展開となっている。この水準は、日中の取引時間中に数回、下値を試す展開となった際に割り込むことを防いだフィボナッチ・リトレースメント61.8%の水準でもある。もし90の下値を維持し、そこから反発した場合は、下降している20日単純移動平均線を目指す展開となろう。

WTI原油先物 日足チャート

資料:TradingView

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変動 ロング ショート 建玉
日次 -11% 18% 0%
週次 -10% 24% 2%
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--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著

ウェストウォーター氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitter で @FxWestwater までお願いいたします。

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