※2023年6月7日14時28分更新
原油、OPECプラス、WTI、ドル、サウジアラビア、週間石油在庫統計、ボリンジャーバンド - トーキングポイント



エネルギーセクターで、より広範なマクロ経済情勢が再び、関心を集めている中、週初の原油先物相場は、サウジアラビアが自主的に追加減産を表明したことを好感して大きく上昇した。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成されるOPECプラスは4日、現在の協調減産の枠組みを2024年末まで延長することで合意した。協議は難航したものの、サウジアラビアが7月に日量100万バレルの追加減産を行うと約束したことで話をまとめたようだ。これを受け、5日の原油相場は5週間ぶりの高値まで上昇した。OPECプラスは、4月上旬にも同様の措置を取っている。
サウジアラビアのアブドルアジズ・ビン・サルマン・エネルギー相は、日量100万バレルの自主減産を、子どもをあやすための菓子に例え、「サウジのロリポップ(棒付きキャンディ」と称した。ロリポップにより、生産量の割り当てを巡る足並みの乱れを合意につなげた。
今回の値動きは、まるで急速に補給した糖分がすぐに代謝されたようであった。ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は週明け5日、先週の安値67.03ドルから75.06ドルの高値まで一気に上昇した。
だだ、その後は70.13ドルまで下落し、きょう7日は72.00ドルをわずかに下回る水準で推移している。
米石油協会(API)が6日発表した6月2日までの1週間の原油在庫は、170万バレル減少し、予想(150万バレル増)および前週(520万バレル増)をともに下回った。
きょう7日は、米エネルギー省(DOE)の一部門であるエネルギー情報局(EIA)が先週の石油在庫状況を発表する予定だ。市場では、102万2,000バレルの増加と予想されている。前々週は448万8,000バレル増加した。
WTI原油先物のテクニカル分析
先週31日は、強気のローソク足パターンである陽の包み足(抱き線)が形成され、高値更新の前兆となった。
その値動きの中で、WTI原油先物は21日単純移動平均線(SMA)をベースとするボリンジャーバンドの両限を行き来し、上下に振れた。バンドを外れた後、バンド内に戻ったことは、反転の可能性を示唆すると解釈されることがある。
直近の値動きは、現在のところ、レンジ相場にあることを示唆しているのかもしれない。
レジスタンスは、75.06、76.92、79.18の過去の高値となる可能性があり、その上にある82.50-83.50エリアにはレジスタンスゾーンが立ちはだかっている。
下降局面では、70.13、67.03、66.82、66.12、64.36、63.64、62.43のブレイクポイントや過去の安値がサポートとなる可能性がある。
資料:TradingView



--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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