※2023年7月18日14時34分更新
原油、WTI、中国GDP、リビア油田、RBOBクラックスプレッド、ボラティリティ指数 - トーキングポイント



原油先物相場は、軟調な中国経済見通しやリビアの政治的緊張の緩和を背景に、原油の生産が引き上がる可能性があるとの見方が出ており、先週付けた3カ月ぶり高値から値を下げ続けている。
原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は先週13日に77.33ドルを付けた後、週末にかけて下落し、今週は74ドルを下回って取引を開始した。
ブレント原油先物も同様の値動きを見せ、81.75ドルまで上昇した後、週明け17日には78.25ドルまで下げた。
17日に中国国家統計局が発表した2023年4-6月期の国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6.3%増と、前期(同4.5%増)は上回ったものの、予想(同7.3%増)は下回った。
軟調なGDPの発表は、中国経済が逆風にさらされていることをより印象づけた。これにより、中国政府はさらに追加の景気刺激策を講じるのではとの憶測が広がっているが、今のところ確証はない。
中国の景気減速が続けば、エネルギー需要は弱まる可能性がある。
リビアでは、抗議活動のため生産を停止していた2つの大規模油田の操業が再開された。シャララ油田とエルフィール油田の再稼働により、世界の供給量は日量約32万バレル増加すると報じられている。
ロシアが最近、日量50万バレルの減産を発表したこともあり、需給バランスの変化が相場に影響を与えそうだ。
原油相場の主要な支援材料となる可能性があるのは、今週再び上昇しているRBOB(ニューヨーク市場で取引されているガソリン銘柄)のクラックスプレッドである。RBOBクラックスプレッドは、石油製品の中で大きな割合を占めるガソリンの需要が旺盛かどうかを判断する際に使用される指標で、製油所の利益率を反映している。
RBOBは、含酸素改質ガソリン基材を指し、取引が可能なガソリン品質を保有する。製油所の収益性が高まれば、原油の需要増につながる可能性がある。
WTI原油先物価格は、11週間続いた66.80-77.33ドルの幅広いレンジ内に戻った。
OVX指数は、VIX指数がS&P 500種株価指数のボラティリティを測定するように、WTI原油価格のボラティリティを測定する。OVX指数は下降し続けており、恐らく、現在のレンジ取引環境が今後も続く可能性を示している。
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WTI原油先物、RBOBクラックスプレッド、ボラティリティ(OVX)
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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