WTI原油、OPECプラス、債務上限、中国、リオープン、PMI、テクニカル―トーキングポイント



5月31日公表の中国経済指標にて景気回復が緩慢なものに留まっていることが示されたことを受け、WTI原油価格は1バレル67.9ドルまで急落している。米国雇用統計、6月4日のOPECプラス会合で追加減産が決定されるかが、当面の原油価格の変動要因になろう。また、米国債務上限停止法案の行方にも注目。同法案は1日に米国議会の下院で可決された。上院での採決に今後移り、米国債のデフォルト(債務不履行)は回避される見込みだが、週明け5日までに可決できなかった場合、デフォルト懸念が高まり、リスク資産である原油価格の逆風になる可能性がある。
原油価格の急落を受け、個人トレーダーは割安感があるとの見方から原油価格に対して強気になっている。これは、IG顧客センチメント(IGCS)を見れば分かる。IGCSは時に逆張り指標として機能することがある。IGCSからは、最近、弱気のシグナルが示されている。詳しく見てみたい。
原油の個人センチメント:弱気
IGCSによると、原油を取引する個人トレーダーの約82%がネットロング(原油を買い持ち)にしている。ほとんどの持ち高がネットロングに傾いているため、原油価格は下落し続ける可能性を示唆している。また、昨日、先週から、ネットロングのトレーダー数はそれぞれ、2.33%、24.94%上昇している。このことを考えると、価格は一段と下落する可能性がある。
IG顧客センチメント:原油




資料:IG顧客センチメント
原油価格のテクニカル分析:売られ過ぎだが・・・
4時間足チャートで、9,20,50,200期間指数移動平均線は下向きかつ、下から順に並ぶ弱気の「逆パーフェクトオーダー」が成立しており、下落トレンドが鮮明である。一方、RSIは売られ過ぎを示唆する30を下回る29へ低下している。21期間移動平均線からの乖離率も-4.1%とRSI同様売られ過ぎの水準である。OPECプラス会合で追加減産が決定された場合や、米国雇用統計で労働市場の調整が確認されFRBの金融引き締め観測が後退した場合、急反発し、70ドル台へ回復する可能性がある。また、米国債務上限停止法案が上院でも可決した場合も、投資家のリスクセンチメント改善に伴い原油価格の上昇要因となろう。一方、追加減産見送り、FRBの一段の金融引き締め観測、米国債の支払い不履行(デフォルト)の可能性が高まった場合、一段安が視野に入る。下値として、米エネルギー省から戦略石油備蓄(SPR)補充のための原油購入観測が高まる67ドルが水平サポートラインとして機能するかに注目が集まる。下方ブレイクした場合、3月以来の65ドル割れが視野に入る。
WTI原油4時間足チャート




資料:Trading View
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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著