※2023年4月3日13時58分更新
原油、OPECプラス、WTI、ブレント、ロシア、米国、中国、クルディスタン、トルコ - トーキングポイント
- 今朝の原油相場はOPECプラスの追加減産表明を受け、2カ月ぶりの高値まで上昇
- OPECプラス加盟国は日量100万バレル以上の減産実施へ
- 供給問題がショートスクイーズに拍車をかけているようだ。WTI原油先物の行方は?



週明け3日のアジア時間に原油先物相場は一時、前週末比8%超上昇した。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の産油国で構成されるOPECプラスの加盟国が2日、予想外の協調減産を表明したことを受け、原油先物を買う動きが強まった。先週の9%超の大幅上昇に続き、原油相場は上げ幅を拡大している。
もっとも価格はその後、上値が重くなった。寄り付き時は薄商いだったため、上下に振れやすくなっていた可能性がある。先週、複数のOPECプラスに参加する当局者は、目先の減産はないとほのめかしていたと伝えられている。
OPECプラス加盟国は自主的に日量100万バレル以上の減産に踏み切った。先週は、国際仲裁裁判所の決定によりトルコがクルディスタンから石油を調達できなくなったと伝えられたばかりで、供給懸念がさらに強まった。
これにより、世界市場の原油調達量が1日あたり40万-45万バレル減少すると推定されている。
さらに、ロシアは以前から、日量50万バレルの減産を年末まで続けると表明している。
OPECプラス加盟国内では、サウジアラビアが日量50万バレルの減産と、最も減産量が多い。
OPECプラスは、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが世界最大の経済大国である米国の経済活動を減速させると考えているように見える。
皮肉なことに、原油の供給減少でインフレ圧力が高まり、FRBが引き締め策をさらに見直すことになるかもしれない。
この削減に対して、米国家安全保障会議の報道官は「市場の不透明感を考慮すると、現時点で削減は望ましくないと考えている」と述べた。
中国はコロナ規制が大幅に緩和されたものの、多くが期待していた世界経済の活性化にはつながっておらず、今回のOPECプラスの減産決定の一因になっている可能性がある。
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
予想外だった協調減産の発表は、OPECプラスがオンライン形式で開く会合の1日前だった。
3日のアジア時間にウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は寄り付きで81.69ドルの高値まで上昇し、ブレント原油先物は86.44ドルの高値を付けた。両先物ともその後は上げ幅を縮小した。
上昇に弾みがついているWTI原油先物
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。