原油、WTI、製造業活動、景気後退、テクニカル分析見通し – トーキングポイント



8月初日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は大幅安。1日に約5%下落したことが相場動向を占ううえでシグナルになると仮定すれば、8月は3カ月連続で前月比マイナスとなる勢いである。中国国家統計局(NBS)は、7月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.0と、6月の50.2から低下したと発表した。コンセンサス予想である50.4を大幅に下回り、予想外の悪化となった。
世界の指標油種であるブレント原油先物はやや持ち直したものの、それでも4%近く下落し、アジア太平洋地域の取引開始直後から値下がりが続いている。「ゼロコロナ」政策を堅持する中国政府の姿勢は、同国の製造業活動に深刻な負担をかけている。この政策は、今後も同国経済の重荷になりそうである。
北京は、6日間感染者がゼロだった後、7月31日に現地で感染者が確認されたと報告した。ハイテク産業の中心地である深圳でも、隔離施設内ではあるが感染者が確認された。感染者が少ないとはいえ、BA.5のような感染力の強い変異ウイルスの拡大を阻止するために、中国が厳しい規制を維持できるのか、保健医療分野の専門家はますます懐疑的になってきている。
しかし、供給は世界的にひっ迫しており、原油価格がさらに下落するかどうかは不透明なままだ。在庫統計の中でも特に米国の在庫統計は、急速に変化するマクロ情勢を見極める上で、引き続き重要である。米エネルギー情報局(EIA)は3日、7月29日までの1週間の原油在庫は46万7000バレル減少したと発表すると見られている。米国石油協会(API)は2日に週間石油統計を発表する予定だ。



原油 テクニカル分析見通し
WTI原油先物のテクニカル分析に基づく見通しは、数カ月にわたる下落を受け、悪化した。原油価格は1日、テクニカル水準として注目されている200日単純移動平均線を下回り、7月安値と90の心理的水準が視野に入ってきた。これらの水準を下回ると、2021年10月から11月にかけて上値レジスタンスとして機能していた85.39付近が意識されることになる。オシレーター系テクニカル指標であるMACD(マックディー)とRSI(相対力指数)はマイナス圏で推移しており、弱気な見通しを後押しする一因となっている。
原油 日足チャート

資料:TradingView
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--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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