※2023年9月1日14時48分更新
原油、WTI、ブレント、ロシア、OPECプラス、中国、インド、石油在庫、ボラティリティ指数、米NFP - トーキングポイント



31日(アジア時間)の原油先物相場は上昇した。ロシアが原油輸出削減を延長するとの報道が伝わったことや、米国の石油在庫が再び減少したことを受け、買い安心感が広がった。
報道によると、さらなる原油輸出削減について、ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」と合意し、新たな取り決めを来週発表するという。
その一方で、最新のデータは、中国とインドの7月の石油輸入量が減少していることを示している。
30日に発表された米エネルギー情報局(EIA)の週間石油在庫統計によると、8月25日に終了した週の米原油在庫は1,058万4,000バレル減少と、予想(326万7,000バレル減)および前週(613万5,000バレル減)を大幅に下回った。
同日発表の米石油協会(API)の在庫統計では、同週の原油在庫は1,148万6,000バレルの減少となり、こちらも予想(290万バレル減)を大きく下回った。
米原油先物指標のウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)の2つの期先物間では逆ざや状態となっており、原油相場にとっては強気な方向に動いている。米国内の需要が今のところ、堅調であることを裏付けていると言える。
同時に、OVX指数は2019年以来の低水準で推移し続けており、これは市場が価格の上昇に無頓着であることを示しているのかもしれない。
OVX指数は、VIX指数がS&P 500種株価指数のボラティリティを測定するのと同様に、WTI原油先物のボラティリティを測定する指標である。
きょう1日の取引開始時(アジア時間)、WTI原油先物は83.50ドルを少し上回る水準にあり、ブレント原油先物は86.80ドル近辺で取引されている。
8月の高値はWTIが84.89ドル、ブレントが87.37ドルだった。リアルタイム価格はこちらで確認できます。
今週前半に発表された米経済指標が軟調だったことから、米連邦準備制度理事会(FRB)は積極的な金融引き締めスタンスを取る必要はないとの思惑が広がり、原油相場はやや岐路に立たされているようにも見える。
今夜(日本時間)発表される米非農業部門雇用者数(NFP)が、原油相場が動くきっかけになる可能性がある。ブルームバーグのエコノミスト調査では、8月の米雇用者数は17万人増加し、失業率は3.5%にとどまると見られている。
ベーカー・ヒューズ社が発表する週間米石油採掘装置(リグ)稼働数も注目されそうだ。
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WTI原油先物、RBOBクラックスプレッド、逆ざや、ボラティリティ (OVX)
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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