原油、ドル、WTI、ブレント、FRB、欧州中銀、英中銀、英ポンド/ドル、金 - トーキングポイント



米国時間15日の原油先物相場はリスクオフムードが広がる中、下落したが、きょう16日のアジア時間帯は、堅調な推移が続いている。今週のパフォーマンスはプラスで取引を終えそうだ。
ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は76ドル近辺、ブレント原油先物は81ドルをわずかに上回る水準で推移している。
欧州中央銀行(ECB)は15日の理事会で予想通り、政策金利を50ベーシスポイント(bp)引き上げると発表した。利上げ幅は過去2回の理事会での75bpから縮小したが、欧州中銀は追加利上げを引き続き検討しており、市場が現在予想している以上の引き締めが必要になるかもしれないとの見解を示し、市場心理を冷やした。
不快なほど高いインフレを抑制するため、欧州中銀は1月に量的引き締め(QT)の開始も予定している。クリスティーヌ・ラガルドECB総裁は、インフレ目標は引き続き2%であることを強調した。
米商務省が15日発表した11月の米小売売上高が予想に反して弱い内容となったため、同日は景気後退懸念からドルが急上昇した。しかし、きょう16日までにその上昇幅を幾分縮小している。きょうのアジア時間帯は、一日を通して円とニュージーランドドルが最も良いパフォーマンスを見せている。
英ポンドは、昨日15日のイングランド銀行(BOE、中央銀行)による50bpの引き上げ後も下げ止まらなかったが、きょうは小幅に上昇している。
米10年債金利から2年債金利を引いたスプレッドは昨日もさらに拡大したが、きょうは2bpほど戻したマイナス0.77bp近辺で推移しており、逆イールド(長短金利差の逆転)はやや緩和されている。1年債利回りは4.70%を上回る水準に回復している。
オーストラリアのASX 200株価指数と日経平均株価は、米国株安に追随し下落した。
香港ハンセン指数と中国本土のCSI 300指数は、中国の半導体メーカーに対する米国の制裁措置による影響を切り抜けられるのではとの見方が、いくらか追い風となったようだ。
金先物相場は15日のニューヨーク終値からほとんど変わらず、本記事執筆時点では1,780付近で取引されている。
今後は、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)が発表され、多くの先進国の製造業購買担当者景気指数(PMI)の発表も控えている。
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WTI原油先物 テクニカル分析
WTI原油先物は、15日に高値77.77を付けたものの、21日単純移動平均線(SMA)を上回ることはできず、きょうは下落した。この水準はレジスタンスとして機能する可能性がある。
さらなる上昇局面では、82.63のブレイクポイントや、直近高値の82.72と83.34がレジスタンスとなるかもしれない。55日SMAも現在、この高値83.34付近に位置している。
先週の安値70.08はサポートとなる可能性がある。その下には2021年12月の安値66.12が控えている。
資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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