WTI原油、天然ガス、中国、PMI、景気―トーキングポイント



サウジアラビアはOPECプラスで合意された減産に加え、7月から始めた日量100万バレルの自主減産を8月も実施すると表明。ロシアも原油の生産量の削減を表明、原油価格は緩やかに上昇している。
供給減は原油価格の上昇要因である一方、需要面においては原油や天然ガスの一大消費国である中国景気の景気回復が依然として緩慢であることが示された。詳しく見てみたい。
中国景気の回復は緩やか
中国財新が購買担当者景気指数(PMI)(サービス業、総合)を公表した。製造業は3日に先上げて公表されていた。前回より低下したPMIの結果は、原油や天然ガスの一大消費国である中国の景気回復が緩やかであることを改めて印象付ける結果であった。中国景気回復に伴う原油や天然ガスの需要の急回復、価格上昇は見込みづらいが、天然ガス及び原油価格の見通しは?

天然ガス価格見通し
上抜けした場合に上昇トレンドの再開を示唆する上昇ペナントを形成している。ペナントのトレンドラインのレジスタンスライン(現在2.79レベル)を上方ブレイクすると、天然ガス価格の上昇トレンド再開の可能性が高まる。その場合、3月高値3.03ドル更新が視野に入る。
天然ガス価格が下落した場合、上昇ペナントのトレンドラインのサポートライン(現在2.66)で維持されるかに注目。サポートされると、ペナントのレジスタンスラインの上方ブレイクが視野に入る。
天然ガス価格(NG1)日足チャート

資料:Trading View
原油価格見通し
原油価格は、水平サポートライン67ドルを下方ブレイクせずに反転、上昇している。RSIは50超えに転換し、下落トレンドからの転換を示唆している。最近のレジスタンスである50日指数移動平均線(現在71.58ドル)を上抜けるかに注目。上抜けた場合、下落トレンドから反転パターンである逆ヘッドアンドショルダー(逆三尊)が形成され、原油価格の低迷が終了した可能性が高まる。その場合、水平レジスタンス73.21ドルをトライが視野に入る。
一方、中国景気の回復が緩慢であることは、景気減速に伴う原油の需要後退懸念から、原油価格にとって下押し圧力である。原油価格が下落した場合、水平サポートライン67ドルでサポート(終値ベース)されるかに注目。下方ブレイクした場合、3月以来の65ドル割れが視野に入る。
WTI原油価格日足チャート

資料:Trading View



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-- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著