※2023年4月6日10時39分更新。
CAD、JPY、USD、雇用統計、金融政策-トーキングポイント



カナダ雇用統計、そして中銀会合が迫る
一昨日のJOLTs求人件数、昨日のADP雇用統計・ISM非製造業PMIと相次いで米国経済指標が市場予想を下回っており、米国景気減速懸念が急速に高まっている。海外市場が休場の中、明日米国雇用統計が発表され、為替/FX市場の変動要因となろう。カナダでは米国に先駆けて本日雇用統計が発表される。失業率は前回から小幅上昇の5.1%、雇用者数は12,000人増加が見込まれている。
カナダ経済指標(本日公表)

インフレ抑制のために雇用環境の調整が必要であるが、同じく発表される平均時給の伸びにも注目したい。カナダ中銀(BOC)は、主要中銀の中でいち早く利上げを停止している。賃金の高い伸びが続く場合、現在のインフレ鈍化ペースが緩やかになり、カナダ中銀は利上げ再開を視野に入れることになるかもしれない。

資料:Trading Economicsより作成
金融市場はカナダ中央銀行の利下げを織り込んでいる。主要中央銀行の中では最も利下げ織り込みが進んでいる。利下げ織り込みが進んでいることは、利下げ織り込みの剥落(利上げ織り込みが進展)する余地があるとも言える。また、OPECプラスの追加減産を受けた原油価格の上昇も産油国のカナダ景気・インフレの上昇圧力になろう。来週12日にカナダ中銀は金融政策決定会合を開催する。本日のカナダ雇用統計、最近の原油価格の上昇を受けてカナダ中銀の利上げ停止スタンスに変化が見られた場合、利下げ織り込みが剥落、カナダドルの上昇要因となろう。対円、対米ドルでのカナダドルの見通しは?

資料:BloombergのフォワードレートのデータよりDailyFX.comが作成
米ドル/カナダドル:米ドル安カナダドル高
重要な水平サポートラインである1.36541を下方ブレイク(米ドル安カナダドル高が進展)しており、カナダドル高トレンドに弾みが付いている。RSI(相対力指数)は37とカナダドルが買われ過ぎの水準ではなく、MACDラインは引き続き下向きかつ、シグナルラインを下回っており、カナダドル高(米ドル安)の地合いであることを示している。カナダの利下げ織り込みは剥落する余地があり、カナダドル高を見込む。1.33838に現在位置する200日移動平均線、そして今年の下値(カナダドル高)である1.32620が視野に入る。
米ドル/カナダドル日足チャート

資料:Trading Viewより作成
カナダドル/日本円:カナダドル安円高
5,20,200日移動平均線は下向きであり、カナダドル安円高地合いを示している。また、強い売りシグナル(カナダドル安円高)である三役逆転が完成している。カナダ同様日本も利上げ織り込みがされておらず、今月の植田新日銀総裁による初会合を控えて日本の金融政策修正観測が高まり、円高要因になる可能性がある。また、米国景気後退懸念が高まった際に安全資産通貨として円が買われる可能性もあるため、カナダドル安円高を予想。
カナダドル/日本円日足チャート

資料:Trading Viewより作成
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著