カナダドル、CAD、米ドル/カナダドル、カナダドル/日本円、カナダ銀行、金融政策、FOMC―トーキングポイント



カナダ銀行(中央銀行)が金融政策決定会合を本日開催する。堅調な景気動向、雇用市場を受け、今回もしくは次回会合での利上げが予想されている。カナダ中銀は主要中央銀行の中でいち早く利上げ停止を決定した中銀であり、利上げ実施もしくは再開を示唆した場合、金融引き締め観測の台頭からカナダドル高の進展を見込む。個人トレーダーのセンチメントやテクニカル面に基づくと、カナダドルが対円、対米ドルで上昇することを見込む。詳しく見てみたい。
個人トレーダーセンチメント見通し:米ドル安カナダドル高
IGCSによると、個人トレーダーの約66%がネットロング(米ドルロングカナダショート)である。ほとんどの持ち高はまだネットロングに傾いているため、米ドル安カナダドル高が進展する可能性を示唆している。また、昨日、先週から、ネットロングのトレーダー数は、それぞれ3.62%、60.70%上昇している。このことを考えると、米ドル安カナダドル高が進展する可能性がある。
IG顧客センチメント:USD/CAD




資料:IG顧客センチメント
米ドル/カナダドル:米ドル安カナダドル高
4月以降、1米ドル当たり1.32620~1.36541カナダドルでのレンジ相場が継続している。しかしながら、原油価格が下落する中でも1.36541が強固な水平レジスタンスとして機能している。また、9日指数移動平均線が20、50日指数移動平均線を下抜け、米ドル安カナダドル高を示唆する「デッドクロス」が成立している。更にローソク足が200日指数移動平均線を下抜け、カナダドル高圧力が強いことを示唆している。また、FRB高官が6月FOMC(米連邦公開市場委員会)にて利上げスキップを支持する発言が相次ぐ中、リスクオン相場の継続、リスク資産通貨であるカナダドルの追い風になることを見込む。カナダ銀行が利上げ実施もしくは再開を示唆した場合もカナダドル高に寄与しよう。水平サポートラインである1.32620への米ドル安カナダドル高の進展を見込む。下方ブレイクした場合、4月以降のレンジ相場が終焉、新たなカナダドル高相場が開始する可能性がある。リスクとして、原油価格の下落が挙げられる。世界景気の減速懸念が高まり、原油価格が急落した場合、産油国であるカナダドルも1.36541まで下落する可能性がある。
USD/CAD日足チャート

資料:Trading View
カナダドル/日本円:カナダドル高円安継続
日足チャートを確認すると、9,20,50,200日指数移動平均線が上向き、かつ上から順に並び、カナダドル高円安を示唆する「パーフェクトオーダー」が成立している。カナダ銀行が利上げ再開または示唆した場合に加え、日本銀行の金融緩和スタンスもカナダドル高円安に引き続き寄与しよう。また、FRB高官の利上げスキップ示唆も、投資家のリスクセンチメント、リスク資産通貨であるカナダドルのサポート要因になろう。10月から1月の下落に基づいたフィボナッチリトレースメント78.6%水準である106.986円へのカナダドル高円安進展を見込む。リスクとしてカナダの主要産品である原油価格の下落が挙げられる。その場合、9日指数移動平均線でサポートされるかに注目。下方ブレイクした場合、フィボナッチリトレースメント50%水準の102.491円へカナダドル安円高が進展する可能性がある。
カナダドル/日本円日足チャート

資料:Trading View
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著