雇用統計、GBP、GBP/JPY、GBP/USD、BOE、金融政策-トーキングポイント



賃金加速、インフレ高止まりへ
11日に英国雇用統計が公表された、失業率は上昇したものの、週平均賃金(賞与含む)は前年比6.9%と市場予想を上回り、前月より加速を示した。賃金動向はサービスインフレと特に深い関係があり、賃金の加速は今後も英国のインフレが高止まりし、英中銀(BOE)による一段の金融引き締めが必要であることを示唆する。

資料:Trading Economics
利上げ織り込みが進展
英国雇用統計の結果を受け、利上げ織り込みが一段と進展し、英中銀はあと1.5%の利上げを実施することが金融市場で織り込まれている。主要中銀の利上げ停止が視野に入る中、際立った利上げ織り込みである。英ポンドは上昇し、年初来高値を更新した。12日の米国インフレ率の動向が英ポンドを含めた為替市場の変動要因となることが見込まれるものの、円に対して中立、米ドルに対して強気のシグナルが出ている。詳しく見てみたい。

飼料:Bloomberg、OIS市場のデータよりDailyFXが作成
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | -11% | -9% | -10% |
週次 | 6% | -10% | -6% |
英ポンド/日本円のチャートポイント
MACDラインがシグナルラインを下抜ける「デッドクロス」が示現、GBP安JPY高への転換を示唆している。一方、英ポンド安が進展した局面においても20日指数移動平均線でサポートされており、相場の地合いが強いことを投資家に印象付けており、テクニカル面では中立である。
最近のレジスタンスである184.012レベルを終値ベースで上抜けると、GBP高トレンド再開の可能性が高まり、2020年3月から2023年1月の値動きに基づいたフィボナッチエクステンション61.8%水準の185.099レベルをトライしよう。
一方、20日指数移動平均線を終値ベースで下抜けると、GBP安トレンドが明確になり、6月21日安値179.922レベルが視野に入る。
英ポンド/日本円(GBPJPY)の日足チャート

資料:Trading View
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 12% | -17% | 2% |
週次 | 20% | -12% | 9% |
英ポンド/米ドルのチャートポイント
英ポンド/米ドルは12日公表の米国インフレ率の影響を強く受けるが、上昇トレンド(GBP高USD安)への転換を示唆するチャートパターン「明けの明星」が示現して以降、英ポンド高トレンドへ転換している。更に、年初来高値を更新し、上昇トレンドが一段と鮮明になっている。米国インフレ率が市場予想を大幅に上ぶれない限り、心理的節目である1.300レベル、更に上昇の勢いが衰えない場合、昨年4月後半高値1.30898レベルをトライしよう。
一方、米国インフレ率が高止まりを示した場合の下値(GBP安USD高)の目処として、5月高値の1.26798レベルでサポートされることを見込む。
英ポンド/米ドル(GBPUSD)日足チャート

資料:Trading Viewより作成
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--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著