英ポンド、英ポンド/ドル、ドル、ドル/円、円、中国、ハンセン指数 - トーキングポイント
- 英ポンドは、政治的混乱が収束したとの見方から上昇
- 米国債利回りは再び低下したが、リスク回避の動きでドルは上昇
- 中国株は、厳しい規制下で経済見通しが悪化し、下落



24日早朝のロンドン外国為替市場で英ポンドは、ドル高が進む中、ドルに対して下落しなかった数少ない通貨の一つだった。ボリス・ジョンソン氏が出馬しない意向を表明し、政治的な混乱が収束するとの見方が強まったことで買い安心感が広がった。
現在、リシ・スナク元財務相が次期英首相の最有力候補と見られており、ペニー・モーダント下院院内総務が現段階での主な対立候補者である。誰が首相になるにせよ、厳しい経済環境に直面することになる。
先週金曜に米国債利回りが低下し、きょう24日のアジア取引時間帯でもさらに低下しているにもかかわらず、ドルは上昇している。先週金曜の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言の一部は、以前ほどタカ派的ではないとの見方もある。
中国の習近平国家主席は23日、自身に忠実な人物を集め新たな指導部を発足させたが、景気減速への懸念は払しょくされるどころか、週明けの市場では投資家心理はむしろ悪化したように見受けられる。
これは、今後も中国ではロックダウン(都市封鎖)が続き、いくつかのセクターでは企業に対する厳しい規制環境が継続すると解釈されたためのようだ。24日の香港のハンセン株価指数は一時5%超下落するなど、売りが加速した。オーストラリアと日本の株式は小幅な上昇となった。
中国の国内総生産(GDP)と鉱工業生産はきょう24日に発表され、いずれも予想を上回った。2022年7-9月期のGDPは物価の変動を調節した実質で、前年同期比3.9%増え、9月の鉱工業生産は前年同月比6.3%増加した。しかし、9月の小売売上高は前年同月比2.5%増と、予想(同3.0%増)を下回った。
政府・日銀が先週金曜夜に円買い・ドル売り介入したことが確実視されている中、ドル/円相場は振れ幅が大きくなっており、今朝もかなり流動性の低い状況下で上下に激しい動きとなっている。先週金曜以降、145.47-151.95の幅広いレンジで取引されている。
24日のアジア時間でウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)原油先物は84.50ドル付近で取引され、ブレント原油先物は93ドルを少し下回る水準で推移している。金先物相場は堅調に推移しており、本稿執筆時点では1,670ドル近辺で取引されている。
きょう24日午後10時45分(日本時間)には米S&Pグローバルが購買担当者景気指数(PMI)を発表する。欧州では午後4時15分(日本時間)にPMIが発表され、その後は米国で購買担当者が景況感についてどう考えているかを確認することになる。
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英ポンド/ドル テクニカル分析
英ポンド/ドルは、ここ3週間のレンジ相場(1.0924-1.1496)の上限に接近しており、きょう24日も直近の上昇基調を維持している。以前の高値の先には、1.1405-1.1414のエリアにブレイクポイントとなり得るレジスタンスがある。
下降局面では、以前の安値である1.1061、1.0924、1.0354がサポートとなる可能性がある。
価格は10日および21日単純移動平均線(SMA)を上回る水準にあるが、55日および100日SMAは下回っており、レンジを明確にブレイクするまではレンジ内取引が続く可能性を示唆している。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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