※2023年4月7日15時41分更新
ビットコイン/ドル - トーキングポイント
- ビットコイン価格はシンメトリカル・トライアングル内にとどまり、もみ合いが続く
- 潜在的な需要の急増により、ビットコインは30,000－31,200ドルのレジスタンスエリアを試すのに必要な上昇の勢いを得るかもしれない
- 暗号資産（仮想通貨）とビットコインの恐怖・貪欲指数は現在、貪欲の領域にある。2019年、2021年のような強気サイクルが再来するのか、それとも投資家はレバレッジを解消し、価格は下落するのか？
世界最大の暗号資産（仮想通貨）であるビットコインは、3月の銀行危機の際に上昇した後、28,000ドル付近での値固めが続いている。3月18日以降、価格は26,300－29,300ドルのレンジで推移しており、今後、ブレイクアウトする可能性があるが、どちらの方向に動くかは不透明な状態が続いている。
米ビジネスインテリジェンス企業マイクロストラテジーは5日、1ビットコインあたり28,016ドルの平均価格でビットコインを1,045追加購入したと発表した。マイケル・セイラー最高経営責任者（CEO）は、マイクロストラテジーが現在保有するビットコインは14万に増やされ、約40億ドルの価値に相当すると述べた。全体の平均取得コストは29,803ドルである。しかし、ビットコイン愛好家でマイクロストラテジーの創設者であるセイラ―氏によるビットコインの購入とそれに伴うコメントは、ビットコイン価格の強気なブレイクアウトを促すには至らなかった。
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手数料が需要急増を示唆
現段階でブレイクアウトの方向性は誰にも分からないが、オンチェーン分析会社グラスノード（Glassnode）によると、重要な指標となるのは手数料で、手数料の動向から需要増加の可能性が示唆されているという。グラスノードの調査によると、90日平均（SMA）の手数料は現在、年間平均のそれを上回っており、需要増加の可能性を高めている。
暗号資産とビットコインの恐怖・貧欲指数は、双方とも貧欲の領域にしっかりと入っている。個人的には、強気のブレイクアウトに傾いているが、「トレードとは、考えていることではなく、見えていることを取引するもの」という有名なことわざを思い出している。下記で説明するテクニカル分析では、弱気と強気のブレイクアウトの２パターンを提示している。
日本時間の今夜（7日21:30）に重要な米雇用統計の発表を控える中、最近のドルの反発が強気のブレイクアウトの妨げになるのではという見方が弱気の説を支えている。しかし、ドルはここ2日間である程度、上昇しているが、それによりビットコイン価格がブレイクに至ることはなかったため、強気派が主導権を握る可能性があるという筆者の考えはさらに強まった。
テクニカル分析見通し
テクニカル分析の観点から見ると、ビットコイン/ドルは3月18日からレンジ相場が続いており、この値動きは上げの一服と恐らくある程度の不透明感を示している。価格は現在、シンメトリカル・トライアングル（上昇型のトライアングル）のチャートパターン内で取引されており、トライアングルの頂点は日に日に近づいている。
前述したように、テクニカル指標を詳しく見ると、強気と弱気の両方のブレイクアウトの可能性があることが分かる。下図に見られるように、ダブルトップのチャートパターンが存在し、下方ブレイクアウトの可能性を示唆している。
下方にブレイクアウトすると、最近、重要なレジスタンスとして機能した重要な水準25,000ドルに再び意識が戻ることになる。価格は、2022年6月から大きく値を上げた最近の3月17日まで25,000ドルを下回る水準にとどまっていたのに加え、50日移動平均線もこの水準付近に位置しているため、力強いサポートとなるだろう。
一方、上方にブレイクアウトした場合は、心理的水準30,000ドルを突破できるかが注目され、ブレイクした場合は31,200ドル付近のレジスタンスが視野に入る。
ビットコイン/ドル (BTC/USD) 日足チャート（2023年4月6日現在）
チャート作成：ザイン・バウダ、資料：TradingView
--- DailyFX.com ザイン・バウダ著
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