メキシコペソ、MXN、USD/MXN、MXN/JPY、金融政策、メキシコ中銀―トーキングポイント
- メキシコ中銀は政策金利据え置き
- メキシコ中銀は当面高い政策金利を据え置く必要性
- このような中、メキシコペソの対米ドル、対円での値動きは?



メキシコ中銀、当面の金利据え置きへ
メキシコ銀行(中央銀行)は金融政策決定会合を開催した。前回会合にて政策金利を11.25%で据え置き、約2年の利上げサイクルを終了した。今回の会合では前回に続き政策金利が据え置かれた。また、メキシコ中銀は現在の政策金利の水準を当面据え置くことを示唆した。一方、金融市場では、その年末にかけて利下げを実施することが織り込まれている。

資料:BloombergよりDailyFX.comが作成。
インフレ高止まり
メキシコのインフレ率は鈍化傾向にある。しかしながら、インフレ目標(2%~4%)と比べ、コアインフレ率を中心に高い水準にある。特にコアインフレ率の高止まりは、基調的インフレ圧力が強く、インフレ鎮静化に時間が掛かることを示唆している。

資料:Trading Economics
加えて、メキシコの労働市場は底堅く推移しており、インフレの高止まりを示唆している。メキシコ中銀が示唆しているように高い政策金利の水準を維持する必要があろう。高いメキシコの金利水準は、MXNにとってサポート要因である。

資料:Trading Economics
米ドル/メキシコペソのテクニカル分析:USD安MXN高
米ドルメキシコペソの週足チャートを確認すると、連続する高値と安値が切り下がっており、米ドル安メキシコペソ高圧力が強いことを示唆している(ダウ理論)。また、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは下向きかつ、シグナルラインを下回っており、米ドル安メキシコペソ高トレンドを示している。一段の米ドル安メキシコペソ高を見込む。
23年1月まで形成していたメキシコペソ高を示唆する下降レクタングルパターンの価格幅から16.85までのメキシコペソ高を見込む。
一方、USドル高MXN安が進展した場合、20期間指数移動平均線(現在17.936)を上抜けるかに注目。上方ブレイクすると、2023年に入ってからの米ドル安メキシコペソ高トレンドが終了した可能性が高まる。
USDMXN週足チャート

資料:Trading Viewより作成
メキシコペソ/円のテクニカル分析:MXN高JPY安
メキシコペソの対円の日足チャートは、3月後半以降、連続する高値と安値が切り上がっており、上昇圧力が強いことを示唆している(ダウ理論)。また、MACD(移動平均収束拡散手法)ラインは下向きかつ、シグナルラインを下回っており、メキシコペソ高円安トレンドを示している。一段のMXN高JPY安を見込む。
2020年4月から2022年12月のMXNJPYの値動きに基づいた 8.65が視野に入る。
一方、下落した場合、20期間指数移動平均線(現在8.1225)でサポートされるかに注目。下方ブレイクすると、3月以降のMXN高JPY安トレンドが終了した可能性が高まる。
MXNJPY日足チャート

資料:Trading View



--- DailyFX.com ストラテジスト 木全哲也著