豪ドル、豪ドル/米ドル、米ドル、FRB、FOMC、コモディティ、豪ドル/カナダドル - トーキングポイント
- 豪ドルの上昇は、米ドルの脆さによるところが大きい
- FOMC議事要旨は、FRB高官が熱弁してきたことを裏付けるものだった
- コモディティ相場の動きはまちまちだが、貴金属相場の上昇が豪ドル/米ドルを押し上げている



23日のニューヨーク外国為替市場では、11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で多くの参加者が利上げ減速を支持していることがわかり、これを受けて米ドルが下落。オーストラリアドルはその後、急上昇した。
議事要旨では、前回を含め4回連続で見られた75ベーシスポイント(bp)の大幅な引き上げから一歩後退する意向を示した参加者が少なくないことが明らかになった。
このメッセージは、FOMC以降、複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官によって伝えられてきたものだ。市場は、今月のFOMC会合の前後に、12月の会合で50bpの引き上げを織り込んでいた。現在も市場の予想は変わっていない。
議事要旨から新しい情報はほとんど得られなかったものの、市場は議事要旨をややハト派的と解釈したようだ。
それを受けて株式は上昇し、米国債利回りは米ドルとともに下落した。貴金属相場は全般的に上昇し、豪ドルには追い風となった。
一方、23日のニューヨーク原油先物相場は反落し、カナダドルは下落が顕著だった。カナダドルは、カナダ銀行(中央銀行)のティフ・マックレム総裁の発言によってさらに下げに拍車がかかった。
「引き締め局面は終焉を迎えるだろうし、近づいてはいるが、まだそこまでは至っていない」とするマックレム総裁のこの発言が最も注目されたようだ。
総裁のこの考えは、市場では、以前よりタカ派的でないと解釈されている。その結果、豪ドル/カナダドルは90セントを上回る2カ月ぶりの高値に接近している。
きょう24日は米国の感謝祭祝日のため、市場はやや流動性が低下しており、上下に振れる展開となる可能性も否定できない。



豪ドル/米ドル テクニカル分析
豪ドル/米ドルは先週、68セント弱で高値を付け、その動きで21日単純移動平均線(SMA)をベースとしたボリンジャーバンドの上限バンドを突破した。ここ数日間の上昇の前は、バンドの内側に戻り、下落していた。
ボリンジャーバンドの内側に戻る動きは、株価上昇の一服、または反転を示唆する可能性がある。ただ、直近の高値0.6798を上抜けると、このシグナルは無効となりそうだが、この水準の手前にはレジスタンスが存在する可能性がある。
9月高値0.6916は現在、下降トレンドラインと重なっており、レジスタンスとして機能するかもしれない。
さらに上昇すると、以前の高値やブレイクポイントである0.6956、0.7009、0.7047、0.7060、0.7138もレジスタンスとなりそうである。
一方、下値では、直近の安値0.6585がサポートとなり、その下には0.6547と0.6522のブレイクポイントサポートが控えている。さらなる下落局面では、上昇トレンドラインが以前の安値0.6386と重なっており、これがサポートとなる可能性がある。

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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