※2023年7月14日14時44分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、豪中銀総裁、ミシェル・ブロック現副総裁、S&P ASX 200 - トーキングポイント
- 豪中銀の新総裁発表後、豪ドルは小幅安
- ミシェル・ブロック現副総裁は、中央銀行総裁にふさわしい優れた経歴の持ち主と見られる
- 豪中銀の政策は、今後も従来方針となる可能性が高い。豪ドル/米ドルの見通しとは?



オーストラリアのジム・チャルマーズ財務相は14日、オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)の次期総裁にミシェル・ブロック現副総裁を任命したと発表した。2016年から現職のフィリップ・ロウ氏と交代し、初の女性総裁となる。発表後、オーストラリアドルは若干下落した。
ただその後、豪ドルは回復し、オーストラリアのS&P/ASX200株価指数は米国株高を支えに堅調に推移した。
ブリック氏は1985年からRBA に在籍し、2022年4月から副総裁を務めている。同氏は一流のエコノミストとして定評がある。
今回の人事は、RBAの金融政策にとって重要な時期における、堅実なリーダー交代で賢明な人選という見方が大勢を占めている。
主要メディアの金融政策論者の中には、RBAは不必要なほど積極的に金利を引き上げてきたと言う人もいる。新総裁の最近の発言が今後の政策を反映しているとすれば、彼らは新総裁に失望するかもしれない。
最近の講演でブリック氏は、インフレの熱を冷ますには失業率を4.5%にする必要があると述べた。現在の失業率は3.6%である。
この発言が市場に示唆しているのは、オーストラリアの金融政策は数十年来、同様の方法で管理されており、今後もそうなる可能性が高いということだ。
金利先物市場では今週初め、タカ派的な金融政策見通しが後退し、6カ月物利回りは25ベーシスポイントの引き締め予想を打ち消した。
市場では現在、RBAが8月の金融政策会合(理事会)で利上げに踏み切る可能性は低いと見ているが、年末までには25ベーシスポイントの利上げ実施を予想している。
豪ドル/米ドル 日中チャート
資料:TradingView
豪ドル/米ドル チャート
資料:TradingView
豪ドル/米ドルは過去5カ月間、0.6459-0.6900の取引レンジで推移しており、14日はレンジ上限を試している。
レジスタンスは過去の高値0.6900および0.6920となる可能性があり、その上には0.7010-0.7030エリアが控えている。
下値では、0.6818、0.6806のブレイクポイントがサポートとなる可能性がある。その下には0.6803と0.6741、過去の安値0.6595が控えている。
直近の上昇で、価格はすべての期間の日足単純移動平均線(SMA)をきれいに上方ブレイクした。これは、強気の相場展開を示唆している可能性がある。
これらのSMAは0.6880-0.6920エリアでサポートとして機能するかもしれない。これらすべてのSMAが互いにここまで接近していることは稀であり、これはトレンドの出現を示唆しているのかもしれない。
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
マッカーシー氏に連絡するには、Twitter で @DanMcCathyFX までお願いいたします。