豪ドル相場(為替)概要
豪ドルは形成されたレンジの両側を突破した後、スタート地点からそう遠くないところで第2四半期を終えた。いくつかの国内の要因が豪ドル/米ドルの方向性において影響してはいるが、豪ドルにとって米ドルは依然として支配的な要因であった。



豪州準備銀行(RBA)と米連邦準備制度理事会(FRB)の見解
米ドル高を背景にした一段安の前には、0.6565から0.6900のレンジが2月から3月下旬にかけて展開された。6月上旬のRBAによる25ベーシスポイント(1ベーシスポイント=0.01%)の利上げはマーケットを驚かせ、その影響で豪ドル/米ドルは上昇した。金利先物はRBAが政策金利の誘導目標を、年末までにあと2回引き上げると予想している。
FRBのジェローム・パウエル議長は、6月半ばに開催された前回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げサイクルを休止した後、中央銀行のタカ派的な姿勢を再確認している。利上げを見送る決定により米ドルは当初下落したが、その後パウエル議長の発言を受けて上昇した。7月下旬に開催されるFRBの次回会合は、豪ドルが次に大きく動くきっかけをもたらすかもしれない。
商品価格が貿易黒字に貢献するも為替には寄与しない可能性
豪州経済のファンダメンタルズは引き続き堅調だが、為替相場の上昇には寄与しない可能性がある。豪州の主要な輸出品の多くは世界的な需要に支えられているため、貿易黒字が最終的な損益に大きく貢献し続けている。
出所:TradingView、チャート作成:ダニエル・マッカーシー
債券スプレッドと豪ドル/米ドルの相関
債券スプレッド(利回りの差)と豪ドル/米ドルの相関は、高いこともあるが常にそうとは限らない。しかし、通貨の方向性の手がかりを探すために、追跡するだけの価値はある。
6月には、2008年以来初めて、豪州の3年国債利回りと10年国債利回りに逆イールド(長短金利差逆転)が起こった。この事態が発生した場合、債券マーケットが示唆するのはこの先の景気減速の可能性だ。
出所:TradingView、チャート作成:ダニエル・マッカーシー
豪ドル/米ドルの今後は豪CPIが鍵を握る?
第3四半期に入り、重要な経済データは7月26日に発表される豪州の四半期消費者物価指数(CPI)である。CPIの数値が高ければ、RBAはより積極的な引き締め姿勢に傾く可能性がある。一方、軟調な数字であれば逆の展開になるかもしれない。また、CPIが予想とかけ離れていた場合、豪ドル/米ドルは乱高下する可能性がある。
RBAとFRBの動向は、今後の為替相場を動かす要因となりそうだ。マーケットや中央銀行にとって問題なのは、今後数カ月の金利の行方をめぐる不確実性である。両中央銀行とも、今後の決定は発表されるデータ次第であると明言しており、そのことは豪ドル/米ドルの動きの予測を難しくしている。
変動 | ロング | ショート | 建玉 |
日次 | 20% | -27% | 8% |
週次 | 4% | -23% | -1% |