※2023年9月12日14時59分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、日銀、豪中銀、FRB、米国債利回り、豪国債、日本国債 - トーキングポイント



週明け11日のオーストラリアドルは大幅上昇し、きょう12日の取引に向けてもその勢いは維持されている。上昇の主な要因は、米ドルが全面安となったことである。
米ドル安は、植田和男日銀総裁の発言で米ドル/円が下落したことがきっかけとなった。
植田総裁は、経済・物価情勢が上向けば、マイナス金利政策(NIRP)を年内に見直す可能性があると示唆したようだ。
植田総裁の発言を受け、日本国債利回りは2014年初頭以来の高水準となり、長期金利の指標となる10年債利回りは0.70%を上回る水準で取引された。
米国債利回りは11日、他のほとんどの国の国債利回りに対してアンダーパフォームしたが、オーストラリア国債(ACGB)に対してはそうでもなかった。
豪債と米債のスプレッドは、2年債と10年債の利回りに注目すると、引き続き米ドルに有利である。
豪ドル/米ドル、米ドル指数、豪米2年債および10年債のイールドスプレッド
資料:TradingView
目先のイベントとして、トレーダーは14日に発表される8月の豪小売売上高に注目するだろう。小売売上高は、豪経済活動全体のかなりの部分を占める個人消費を見極めるための情報を提供するため、最も重要である。
さらに、オーストラリア経済の健全性を示す重要な指標である失業率は3.7%と、数世代来の低水準で安定的に推移すると予測されている。この失業率の低さは、労働市場が堅調であることを示しており、消費者心理の改善と消費の拡大に寄与し、小売売上高を押し上げる可能性がある。
オーストリア準備銀行(RBA、中央銀行)は先週、政策金利を4.10%に据え置いたが、その後も金利市場は追加利上げが実施される可能性は低いと見ている。
10月25日に発表される今年7-9月期(第3四半期)の豪消費者物価指数(CPI)が、RBAが金融政策に対する考え方を変えるきっかけとなり得る重要なデータポイントになりそうだ。
RBAはパンデミック期のゼロ近辺という低水準から400ベーシスポイント(bp)の利上げを実施した。一方、米連邦準備制度理事会(FRB)は同期間に525bpの利上げを行った。
短期金利におけるFRBのより積極的な引き締めスタンスが、豪国債の長期債利回りよりも米国債の長期債利回りの方が上昇する流れにつながったとも言える。
RBAは利上げの出番を棚に戻したように見えるが、FRBに関しては、市場は年内にもう1回利上げを実施し、その後2024年に緩和すると見ている。
RBAとFRBの金融政策の格差に対する調整が今後、豪ドル相場を左右する可能性がある。豪ドル/米ドルの取引方法については、下のバナーをクリックしてください。
FRB市場予想金利
資料:ブルームバーグ、tastytrade
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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