豪ドル、AUD/USD、鉄鉱石、中国、PMI - トーキングポイント



30日(木)のアジア太平洋地域の市場見通し
米国株式市場がまちまちで引けた後、豪ドルは多くの他の通貨同様、対米ドルで下落した。ジェローム・パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、ポルトガルで開催された欧州中央銀行(ECB)の年次フォーラムで、「分からないのは、以前のような、あるいはそれに少し似た状態に戻るかどうかだ」と述べ、経済が新型コロナウイルス感染症拡大前の正常な状態に戻るかどうかについて疑問を呈した。一方でクリスティーヌ・ラガルドECB総裁は、「(以前と同じ様な状態には)戻らないと思う」と述べた。
中央銀行が発した全体的なシグナルは、インフレを抑制するためなら経済成長を犠牲にすることもいとわないというものであった。 ブレークイーブンインフレ率のような市場ベースのインフレ指標は一晩で急落した。米国の2年物ブレークイーブンインフレ率(2年後のインフレ率を示す指標)は、2月11日以来の低水準となる3.45%に低下した。これが重しとなり、金価格は3日続落となった。



中国市場での鉄鉱石価格の急落は豪ドルにとっての向かい風と考えられるが、鉄鉱石が過去24時間に5%近く下落したことを考えると、豪ドルの反応は限定的だった。中国の規制が緩和される中、この動きはやや意外である。懸念されるのは、政策当局がゆっくりと着実に実行する景気刺激策を好んでいるように見えるため、輸入が今年初め頃と同程度まで遅延する可能性があることだ。
しかし、中国の経済指標が豪ドルを支える好材料となるかもしれない。中国国家統計局(NBS)は1:30 GMTにPMI(購買担当者景気指数)を発表する予定である。アナリストは、業況改善・悪化の分かれ目となる50を上回る50.5と予想している。発表値が予想を上回った場合は、鉄鉱石と豪ドルは上昇する可能性がある。
6月30日の注目イベント
- ニュージーランド- ANZ企業景況感指数(6月)
- フィリピン-生産者物価指数 (5月)
- オーストラリア - 民間部門信用調査 (5月)
- 日本 - 住宅着工件数 (5月)
本日の経済カレンダー全体はこちらをご覧ください
AUD/USD テクニカル分析予想
豪ドルは対米ドルで、夜間から下落して3日続落となり、2021年10月のスイングハイ(高値)から形成されたトレンドラインに接近している。このトレンドラインは、反発のサポートとなる可能性がある。その場合、下降中の20日単純移動平均線(SMA)が上値抵抗線として機能することになろう。一方、オシレーター系指標のMACD(マックディー)は、シグナルラインの上抜けるための足固めをしているように見える。
AUD/USD 日足チャート

資料:TradingView
トレードに役立つメール配信サービス
DailyFXからタイムリーで国内外のマーケット情報を受け取ることができます。
--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
ウェストウォーター氏に連絡するには、下のコメント欄を使用するか、Twitter で@FxWestwaterまでお願いいたします。