※2023年4月7日11時50分更新
豪ドル、豪ドル/米ドル、米新規失業保険申請件数、米NFP - APAC市場寄り付き
- 豪ドルは、米新規失業保険申請件数を受け上下に振れたが、結局下落
- 米景気の鈍化が徐々に明らかになる中、米NFPに注目が集まる
- 豪ドル/米ドルは、アセンディングトライアングルとサポートに注目



APAC市場まとめ – 米NFP発表を控える中、米経済に亀裂の兆候
6日のニューヨーク外国為替市場でオーストラリアドルは主要通貨に対して下落した。6日に発表された1日までの1週間の米新規失業保険申請件数は22万8,000件と、予想中央値(20万件)より多かったため、センチメントの動向に連動しやすい豪ドルは上昇した。しかしその後、前週値が24万6,000件(速報19万8,000件)に大幅に上方修正され、前週からは減少したことが判明した。
一方、チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスによると、米国に拠点を置く企業が3月に発表した雇用削減は8万9,700人だった。これは2月と比較して15%の増加である。これらの結果に対する最初の市場反応として、米国株は弱含み、安全な資産の逃避先である米ドルは強含みとなった。それに伴い、豪ドル/米ドルは下押された。しかし、米国株の取引時間が終了する頃には、株式は下落分を取り戻し、プラス圏で終えた。
市場は、きょう7日(日本時間21:30)発表の3月の米非農業部門雇用者数(NFP)に注目している。しかし、米国市場はグッドフライデー(聖金曜日)の祝日のため休場となるため、流動性が低下し、予想外の結果となった場合にボラティリティが高まるリスクがある。米国では失業率が3.6%で安定していることから、NFPは23万人増加すると見られている。
しかし、米国経済には早くも亀裂が入りつつある。米シティグループが算出・公表するエコノミック・サプライズ指数は2月下旬以来の低水準に沈んだ。これは、最近の米経済指標が予想を下回っているためと見られる。一方、筆者が独自に作成したモメンタム指標は、2020年の世界的なパンデミック直後以来の低水準となっている(下図参照)。
来週まで多くの取引所が休場となるため、焦点は米雇用統計に対する為替市場の反応に移るだろう。米銀行システム問題の発生後、景気後退懸念が高まっており、3月のNFPが弱い内容となれば、リスク回避の動きを促す可能性がある。トレーダーは最近、米連邦準備制度理事会(FRB)がハト派的であることが市場に与える影響に注目しているが、米経済指標が急速に悪化し始めれば、これはすぐにパニックに変わるかもしれない。そうなれば、豪ドル/米ドルにとっては不利になる可能性がある。
米国経済は減速しているのか?
豪ドルのテクニカル分析
テクニカル分析の観点からは、豪ドル/米ドルは弱気な見通しが強まっている可能性がある。2月以降、アセンディングトライアングル(上昇型のトライアングル)が形成されているようだ。このサポートラインを下方ブレイクすると、1月の高値から始まった下降トレンドが再開するかもしれない。50日単純移動平均線が重要なレジスタンスとして維持されており、上値を抑える可能性もある。下げ幅を拡大すれば、3月の安値が意識されるだろう。
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豪ドル/米ドル 日足チャート
資料:TradingView
--- DailyFX.com シニアストラテジスト ダニエル・ドゥブロスキー著
ドゥブロスキー氏に連絡するには、Twitter で @ddubrovskyFX までお願いいたします。