豪ドル、豪ドル/米ドル、ビットコイン、中国、鉄鉱石、テクニカル分析見通し - トーキングポイント
- アジア太平洋地域の市場は、ビットコイン価格の急落で米国株が下落した流れを受け、リスクオフの動きが広がる可能性がある
- 中国の主要拠点にロックダウンが広がっており、豪ドルや鉄鉱石価格の重しに なっている
- 豪ドル/米ドルは、カップアンドハンドルのブレイクアウトに至らず、50日SMAから下落
アジア太平洋地域の市場見通し：2022年11月10日
米紙ウォールストリートジャーナルは9日、暗号資産（仮想通貨）交換業最大手バイナンス・ホールディングスが、8日に同意していた同業大手ＦＴＸトレーディングの事業買収方針を撤回する可能性が高いと報じた。これが暗号資産（仮想通貨）市場を動揺させ、ビットコイン価格は9日、15％近くも急落し、2020年11月以来の安値を付けた。このため、米国株も下落して取引を終えた。バイナンスは同社のTwitterを通じて、デューデリジェンス（資産査定）や米国の規制当局による最近の調査を終え、FTXの財務問題は「我々の手に負えないものだ」とし、FTX買収方針の撤回を認めた。
米下院と上院での党の主導権争いが続いているが、予想されたレッドウェーブ（共和党のシンボルカラーの赤にちなむ「レッドウェーブ（赤い波）」）は実現していない。中間選挙では、大抵の場合、大統領の所属政党が議席を失う。上院は民主党がやや優勢だが、下院での勝算は少ない状況だ。ジョージア州での決選投票は12月に行われるため、それまで上院の行方はわからない可能性がある。それでも、民主党が残りの下院選挙で予想外な勝利を収めない限り、財政支出拡大の可能性は低くなる。債券投資家が市場に戻り、債券を買い始めたため、米国債利回りは軒並み低下した。
中国ではコロナ感染者の増加に伴い、ロックダウン（都市封鎖）措置を講じる地域が増えており、需要動向に敏感な原油価格の足かせとなった。また、米国で予想外に原油在庫が積み増しされたことも重しとなった。約2000万人の人口を抱え、工場が密集している中国の広州市では、集団検査対策を強化し、市の半分以上が規制下に置かれた。このような状況にもかかわらず、中国の不動産開発業者の銘柄は、中国政府が資金調達支援プログラムを拡大したことが好感され、9日急騰した。人民元は対米ドルで0.5％下落した。
きょう10日（日本時間午前9時）はオーストラリアの11月消費者インフレ予想が発表される。9日は鉄鉱石価格が軟化し、豪ドル/米ドルも下落した。オーストラリア準備銀行（中央銀行）のミシェル・ブロック副総裁は、中央銀行がインフレ抑制策を十分に実施しなかったという主張に反論したが、利上げ観測に拍車をかけるほどのことはなかった。オーストラリアドルの方向性は、短期的には引き続き、中国のコロナ政策に左右されそうだ。今後は米国の10月消費者物価指数（CPI）が注目される。
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注目イベント：2022年11月10日
- フィリピン - GDP成長率（第3四半期)
- タイ - 消費者信頼感指数（10月）
- 日本 - 工作機械受注（前年同月比）（10月）
- 中国 - 車両販売台数（前年同月比）（10月）
豪ドル テクニカル分析見通し
豪ドル/米ドルは、カップアンドハンドルパターンのハンドルのトップと重なる50日単純移動平均線（SMA）から下落した。日足チャートではRSI（相対力指数）が中間点を下回って推移していることから、価格はさらなる下降が予想される。
豪ドル/米ドル 日足チャート
資料：TradingView
--- DailyFX.com アナリスト トーマス・ウェストウォーター著
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