豪ドル、AUD/USD、雇用、失業、豪中銀、FRB、日銀 - トーキングポイント
- 豪ドルは小幅ながら上昇、豪雇用統計は予想を大幅に上回る好調な内容
- この雇用統計により、豪中銀は他の中央銀行同様に大幅な利上げに踏み切る可能性がある
- 豪CPIが大きく伸びれば、豪中銀の大幅利上げとなり、豪ドル/米ドルを押し上げるか?



豪ドル市場では、14日に発表されたオーストラリアの雇用統計がほとんど材料視されず、豪ドルを押し上げるにはオーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)が8月の次回会合で50ベーシスポイント(bps)を上回る利上げを実施する必要があるかもしれない。
6月の失業率は3.5%まで低下し、予想の3.8%と前月の3.9%をともに下回った。
6月の雇用者数は前月比8万8400人増加し、予想の3万人増を大幅に上回った。うち、フルタイム雇用者数が5万2900人増と大きく伸び、パートタイム雇用者数は3万5500人の増加となった。
労働参加率は前月の66.7%から66.8%へ小幅上昇となり、事前予想の66.7%を上回った。雇用統計における好調な結果内容を誇張するべきではないが、見落とされていることもある。市場はさらに先を見越し、嵐を呼びそうな怪しい雲行きをうかがっている。

資料:ABS
13日に発表された米国の消費者物価指数(CPI)は、9.1%上昇という衝撃的な数字となった。2%を物価目標にしようとしている米連邦準備制度理事会(FRB)にとっては悪夢のような数字である。
インフレの定着は、経済にとって、景気後退の波が一度や二度、到来するよりもずっとたちが悪い。不況への不安は、最終的にはハイパーインフレの懸念に取って代わられるかもしれない。
FRBはまるで、駅を出発しようとしている列車を必死で追いかけているようで、市場はFRBの次の利上げ幅を75bps以上と織り込んでいる。
カナダ銀行(中央銀行)は13日、政策金利である翌日物金利の誘導目標を100bps(1%)引き上げたが、オーストラリア準備銀行も2週間後に発表される第2四半期の消費者物価指数(CPI)が予想通り高ければ、同様の金利政策を検討するかもしれない。
オーストラリアの四半期CPI統計をもう少し詳しく分析してみると、もう一つ衝撃的なインフレ指標が潜んでいる可能性が考えられる。

2021年第2四半期のCPIは0.8%の上昇で、2022年第1四半期のCPIは2.1%上昇だった。
一年のうちの最初の3カ月(1-3月)は、商品価格の上昇分、特にエネルギーと食品における価格の高騰については1カ月分しか含まれない。生産コスト上昇が最大となる部分は、まだ消費者に完全に転嫁されていないのである。そのことを頭に入れて、7月27日に発表されるCPIを確認されたい。
仮に2022年第2四半期のCPIが第1四半期と同率(2.1%)と仮定すると、年間では6.3%となる。
今年の第2四半期におけるエネルギー、食品価格、建築資材の異常な上昇を見ると、もっと高い数字になる可能性が高い。
オーストラリア準備銀行は8月2日(火)の次回会合で、引き続き大幅な利上げを実施する可能性がある。
これが豪ドル/米ドルの上昇につながるかどうかはまだわからないが、世界の情勢は引き続き豪ドルに影響を与えるだろう。
豪ドル/米ドル 1分足チャート

資料:TradingView
--- DailyFX.com ストラテジスト ダニエル・マッカーシー著
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