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内憂外患に直面するポンドドル

内憂外患に直面するポンドドル

Junichi Ishikawa, IG証券マーケットアナリスト

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このページの内容

内憂外患に直面するポンドドル

【サマリー】

  • 国内の財政悪化リスクという“内憂”に直面するポンドドル
  • アメリカ金利の上昇はポンドドルにとって“外患“の要因に
  • ポンドドルの下落局面では26日の安値1.03595の攻防が焦点に
  • ポンドドルの反発局面では1.0740レベルでの攻防に注目
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・英国の財政悪化懸念で長期金利が急騰

27日の英国債券市場では、長期金利が4.537%台まで上昇する局面が見られた。

2008年後半以来の高水準まで長期金利が一気に上昇した主因は、トラス新政権の減税政策(財政政策)にある。

英国長期金利のチャート

ブルームバーグのデータより作成 / 月足(2006年以降)

・悪い金利の上昇はポンドの売り要因

トラス氏が首相に就任する前の減税規模は300億ポンド程度と見られていた。

しかし、エネルギー高騰の対策に加えて所得税、国民保険料そして住宅購入に関わる印紙税の引き下げや23年4月からの法人税率引き上げ(19%から25%への引き上げ)も中止することで減税規模が拡大。

英国政府は当面の資金調達を国債に頼る方針を示し、22年度の国債発行額を624億ポンド引き上げると表明した。

トラス新政権の大規模な財政政策は、インフレを進行させる要因である。現在の国際情勢でインフレが進行することは、英国経済の悪化要因である。

しかし冒頭で述べたとおり、同国の長期金利は上昇基調を維持している。これは、「悪い金利の上昇」の典型的な動きである。

ゆえに、外為市場ではポンドを売る動きが加速している。

特にその動き(=ポンド売り)は、対米ドルで進行している。

2000年代前半以降、ポンドドルGBPUSD)は英長期金利の動きに連動するトレンドが続いてきた。

しかし、直近のトレンドを確認すると、完全に逆相関の関係となっていることがわかる(下チャートの赤い枠)。この関係は、悪い金利の上昇がポンド売りの要因になっていることを示している。

英長期金利とポンドドルのチャート

ブルームバーグのデータより作成 / 月足(2003年以降)

英ポンド/米ドル 混合
データ提供:
の顧客はネットロングです。 の顧客はネットショートです。
変動 ロング ショート 建玉
日次 -2% -11% -5%
週次 0% 1% 1%
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・米金利の上昇はポンドドルの“外患”

英国の財政悪化リスクがポンドドルの“内憂”ならば、米金利の上昇トレンドは“外患”となる。

27日の米債市場で長期金利は3.992%まで上昇する局面が見られた。節目の4%到達が時間の問題となる中、米金利の上昇にサポートされ、ドルインデックスは続伸基調を維持している。

米長期金利、ドルインデックスそしてポンドドルのトレンドを重ねてみると、見事な逆相関の関係-「米金利の上昇→米ドル高トレンドの進行→ポンド売り圧力の高まり」の関係にあることがわかる。

昨日、ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は現在の利上げペースについて適切と発言した。

セントルイス連銀のブラード総裁はインフレ抑制のために政策金利を高水準で据え置くことの必要性について言及した。

政策キーマン達のタカ派スタンスに加えて、次回の連邦公開市場委員会(FOMC)での0.75ポイント利上げの確率が50%以上となっている状況も考えるならば、米金利はもう一段の上昇もしくは高止まりする可能性がある。

よって、目先のポンドドルは財政悪化のリスクという“内憂”だけでなく、米金利の上昇という“外患”でも下落リスクに直面する状況が続くことが予想される。

米長期金利、ドルインデックス、ポンドドルのチャート

ブルームバーグのデータより作成 / 日足(6月以降)

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ポンドドルのチャートポイント

・焦点は1.03595の攻防 下方ブレイクなら下落幅の拡大を警戒

上で述べた内憂外患によりポンドドル(GBPUSD)の下落トレンドが続くと想定する場合、目先の焦点は26日の急落時に付けた安値1.03595の攻防である。

昨日の安値1.0653および1.05の下方ブレイクは、1.03595をトライするシグナルとして想定しておきたい。

問題は、ポンドドルが1.03595を下方ブレイクする場合である。

実際にこの展開となれば、外為市場ではポンドドルの下落幅が拡大するシグナルとして捉えられよう。

その場合は、長期スパンのフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準1.0142レベルを視野にポンドドルが下落する展開を想定しておきたい。50.0%の水準1.1605付近では、相場がサポートされる展開が見られた。ゆえに、このテクニカル指標の説明力はそれなりにあると考えることができる。

ポンドドルがフィボナッチ・プロジェクション76.4%の水準をも下方ブレイクする場合は、パリティ水準(1.0)のトライおよびブレイクを意識する展開になると予想する。

ポンドドルのチャート

Trading View 月足(2013年以降)

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・反発の局面では1.0740レベルの攻防が焦点に

一方、米金利の低下などでポンドドル(GBPUSD)が反発する場合は、1.0740レベルの攻防が目先の焦点となろう。昨日のNYタイムでは、この水準がサポートからレジタンスへ転換している。

ポンドドルが1.0740レベルの突破に成功しても、上で述べた内憂外患に直面している現在の状況を考えるならば、短期レジスタンスラインおよび昨日高安のフィボナッチ・リトレースメントの各水準で反落する展開を想定しておきたい。

後者のリトレースメントの攻防では76.4%のトライおよびブレイクに成功するか?この点に注目したい。この水準は、昨日のNYタイムに相場の戻りを止めた経緯がある。

ポンドドルのチャート

Trading View 15分足(9月27日以降)

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